過去の選択に囚われないためのラベリング術

時には、無意識のうちに「別の選択をしていたらどうだっただろう?」と自分を責めるような考えに陥ることがあります。
転職や人間関係など、さまざまな選択の場面で「もしも」と悩むのは珍しいことではありませんが、こうした思考は、実際に選んだ道の価値や可能性を見逃す原因となります。

ラベリングとは、出来事や思考を簡単な記号やキーワードで分類する方法です。
心理学や認知行動療法の一部として使われることもあります。
ネガティブな思考が浮かんだとき、「別の選択が良かった」といった感情をそのまま受け入れるのではなく、以下のシンプルなルールに従って意識的に分類してみましょう。

  • ゴールに関連するもの
     ⇒ 「T」(True=真)
     例えば、仕事の成功体験やゴール達成に繋がるポジティブな出来事を思い出すときに使います。
  • ゴールに無関係なもの
     ⇒ 「N」(Nil=無、値がない)
     ここでは、現状の選択と直接関係のない情報や、他人との比較による無意味な思考を対象とします。プログラミング言語LISPで「値がない」ことを示す言葉になぞらえています。
  • 不要な雑念やネガティブな感情
     ⇒ 「D」(Delusion=雑念)
     例えば、「別の選択が良かった」という過去の選択に対する後悔や、自己否定の感情など、今のゴールに向かって前進する上で不要な思考が該当します。

このように、どのカテゴリーに当てはまるかを即座に判断し、頭の中でラベルを貼ることで、今感じている感情や思考の位置づけが明確になります。

ラベリングの魅力は、どの分類を選んだかよりも、分類するという行動自体に意味がある点です。
これを実践することで、出来事を客観的かつ抽象的に評価する力を養うことができます。
例えば、仕事でミスをしたとき、「自分は失敗者だ」と自己批判する代わりに、その出来事を「D(雑念)」とラベル付けすることで、冷静に次の行動を考える余裕が生まれます。

これらは日常生活のあらゆる場面で活用でき、自己評価を客観的に保つための有効なツールとなります。

ラベリングを取り入れるには、セルフトークが始まった瞬間に立ち止まることが大切です。
立ち止まりラベリングを行うことで、無意識のうちに自己評価の基準が整理され、感情に左右されず冷静に物事を判断できるようになります。

私たちが悩んだり迷ったりするのは、過去の選択に囚われたり、他人と自分を比較しすぎたりするからです。
しかし、あなたが選んだ選択は、あなた自身の経験と成長の証です。

ラベリングを活用することで、心の中の混乱を整理し、明るい未来に向かって自信を持って進むことができます。
どんな状況でも、あなたは今の選択を信じ、次のステップを自らの力で切り開いていけるのです。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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