コーチングにおいて「ゴール設定」が基本であることは、多くの方が耳にしたことがあるでしょう。
先日、愛用していたパソコンが故障してしまい、新しいパソコンを買うことにしたときの話です。
雑誌やニュースサイト、街なかの看板や電車の中づり広告など、さまざまな場所でパソコンに関する情報が目に入ってきました。
意識しなければ気づかない程度の情報が、ごく自然に視界に飛び込んできたのです。
これはまさしく、ビジネスや自己成長の場面でも同じことがいえます。
自分が「新しいパソコンを買おう」と決めた瞬間から、目的地にたどり着くための情報や方法が、意識しないだけで周囲にあふれていたわけです。
コーチング理論が示すように、科学的根拠に基づきゴールを意識しながら行動すると、効果的に目的を達成できるのも、このメカニズムが働いているからです。
人間の脳には、自分にとって大切と認識したものを優先的に捉える機能があります。
これは「網様体賦活系(RAS:Reticular Activating System)」と呼ばれる脳の情報フィルター機能の影響です。
日常生活において何かを強く意識し始めると、スーパーの棚に並ぶ食材やレストランのメニュー表示が以前より気になるようになります。
たとえば「健康に良い食事」を意識し始めると、カラダに良さそうな食材やレシピが目立つようになり、自然と調べる情報や行動が変化していくのです。
このように、目の前に現れる情報はすべて「過去にあなたが重要だと判断していたもの」の延長線上にあります。
そのため、過去の価値判断をそのままにしておくと、新しい視点や情報が入りにくい状態に陥ってしまいます。
ではどうすれば、脳が新しい情報を「重要だ」と判断してくれるのでしょうか。
その答えが「ゴール設定」です。
たとえば毎朝健康維持のためジョギングを習慣にしようと決めたとします。
すると、その日のうちに近所にジョギングに適したコースを探したり、スポーツショップでランニングシューズの情報を調べたりするようになります。
さらに、ライフスタイル雑誌やネット記事で「初心者向けジョギングプラン」や「ケガを防ぐストレッチ方法」を見かける機会も増えていきます。
これがゴール設定の力であり、新しいマインドをつくりあげる第一歩となるのです。
まずは自分が本当に成し遂げたいことを一つ思い浮かべ、ゴールを設定してみましょう。
その瞬間から、あなたの周囲にはゴール達成に必要な情報やチャンスがどんどん舞い込んでくるはずです。
小さなゴールからで良いんです。
今日から「ゴール設定」を実践してみてください。
ゴールがあれば、脳も心もそれに向かって自然と動き出します。