視点の違いで広がる日常の発見

私たちが日々目にする風景や情報は、それぞれの「現実」によって色づけられています。
脳は、あなたが重要だと感じたものだけを選び取り、それ以外は無意識に遮断します。

「現実」とは、その人が価値を見出し、自然に認識している情報のことです。
例えば、ワゴン車の購入を考えていると、街中でワゴン車ばかりが目に入るようになります。
これは、網様体賦活系(RAS)が私たちにとって必要な情報を優先的に捉えるからです。

友人5人と美術館を訪れたときのことを想像してみてください。
同じ絵を見ても、ある人は色の鮮やかさに惹かれ、別の人は大胆な構図に目を奪われるでしょう。
このように、一つの対象でも人それぞれに異なる「重要ポイント」があります。

何を重要と判断するかは、コンフォート・ゾーン(心地よさを感じる範囲)とも深く関係しています。
新しい体験はこのゾーンを超えると違和感を覚えやすいですが、興味や関心と重なる要素には自然と注目が集まります。
例えば、ランニングを趣味にした人は、ジョギングコースの案内板や新しいシューズの広告に無意識に目が行くでしょう。

私たちの脳は、意識的に情報を選ぶだけでなく、無意識のうちにもフィルターをかけています。
通勤時に何気なく通り過ぎるお店の看板も、好きなカフェであれば自然と目が留まります。
この瞬間的な判断は意識の外で行われ、気づかないうちに私たちの認識を形作っています。

自分と他者が「何に反応したか」を意識することで、自己理解が深まり、周囲とのコミュニケーションも円滑になります。
まずは身近な発見をノートに書き留めてみましょう。
何に自然と関心が向いたかを記録するだけで、自分の現実の輪郭が明確になります。

視点を変える練習として、他者の関心領域を想定しながら物事を見る方法があります。
例えば、アート作品を子どもの目線で味わったり、高齢者の視点で風景を眺めたりすると、新たな気づきが得られるでしょう。

私たちの世界は、一人ひとりが主役となって作り上げる「個別の現実」で成り立っています。
この視点を持つことで、自分自身の価値観を再確認し、他者との違いを前向きに受け入れられるようになります。
まずは日常の小さな気づきから始めてみてください。
違いを楽しむことで、新たな視点と豊かな日常が開けるはずです。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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