制約を外し、Want-toから未来を描く

9月も終わりに近づくと、社内や周囲で「下期はどうする?」「来期の見通しは?」といった話題が自然と増えてきます。
季節の変わり目は、これまでの歩みを振り返り、これからの計画を練り直すのに絶好のタイミングです。
まずは深呼吸をして、あなたのゴール達成状況を見つめ直してみましょう。
順調でも、まだ途中でも構いません。ここで一度、静かに確認してみましょう。

半年を振り返ると、見過ごしていた“小さな達成”がたくさんあることに気づきます。
習慣化した朝の散歩、面倒に感じていた経費精算を月一で片づけたこと、読書メモを続けられたこと。
こうした一見ささやかな行動の積み重ねが、集中力や判断力を高め、知らず知らずのうちにあなたを前進させています。
「できていないこと」ではなく、「できたこと」に目を向ける姿勢が、次の一歩を自然に後押しします。

ここからが再設計の本番です。
思考を“可能性モード”に切り替えてみましょう。
時間や資金、人脈など、普段は当然のように考えている制約を、今だけすべて棚上げしてみます。
もしそれらが一切なかったら、どんな一年をデザインしますか。
たとえば、時間が自由なら週に一度“学びの日”を設け、午前は資格学習、午後はコーチング練習、夜は振り返りに充てるかもしれません。
資金の心配がなければ、来期は「地域×学び×ウェルビーイング」をテーマに小さなイベントを毎月開催し、コミュニティを育てる姿が浮かぶでしょう。
人脈に制約がなければ、尊敬する先輩や研究者に直接インタビューを申し込み、記事と動画で発信しているかもしれません。
ここでは現実的かどうかは考えなくて構いません。
まずは“こうありたい”というビジョンを大胆に描くことが、計画の第一歩です。

ゴールは一つや二つに絞らないほうが、全体のバランスが取りやすくなります。
「仕事」「健康」「家族」「学び」「趣味」「お金」「地域」など、あなたの人生を形づくる複数の領域に、心からやりたいことに基づいたゴールをいくつも設定してみましょう。
紙を八つの円にざっくり分け、各領域の“理想の状態”を一言で書き出します。
次に、その理想が叶っている来年の9月を想像し、朝から夜までの一日を物語のように描写してみてください。
最後に、その物語の中から行動の種を三つだけ選び、今月の実験として予定に入れます。
Want-toから生まれた言葉は、自然に行動を引き出します。
だから増やして大丈夫。
複数のゴールが互いに支え合い、あなたの毎日に立体感を与えてくれます。

迷ったときは、「今の自分にとって最善の選択をしている」という前提に立ちましょう。
この前提は失敗への過度な恐れを和らげ、試行回数を増やします。
試行が増えれば学びが増え、学びが増えれば結果は自然と洗練されます。
ベストの選択から生まれる結果は、たとえ希望通りでなくとも、次のより良い選択の材料になります。
プロセス全体が“最適化ループ”になっていくのです。

進んでいると、必ず予期しない出来事に遭遇します。
そんなときは、まず事実を簡潔にメモしましょう。
何が起こったのか、どれくらい時間がかかったのか、どの段階でつまずいたのかを記録します。
その後、同じ行動をより短い時間と簡単な方法で再挑戦します。
そして、誰か信頼できる人にその出来事を話してみることも有効です。
感情が整理され、次のステップが自然と見えてきます。
継続する仕組みを持つ人が、最終的にゴールに近づきます。

次の期の計画を現実の制約から逆算して立てると、どうしても小さくまとまりがちです。
だからこそ、一度すべての制約を取り払って、理想から未来を描きます。
その上で、今日の行動に落とし込むのです。
あなたの選択は、常に最良の学びをもたらします。
安心して、未来の自分に導かれるように、次の一歩を選びましょう。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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