「力み」を手放すと、未来が動き出す──マインドの使い方を変える

「コーチングを学んで良かった!」

昨日、ある方からこんな言葉をいただきました。
コーチングは、単なる会話術や目標達成テクニックではありません。
マインド(心と身体)の”使い方”を学ぶものだからこそ、日常のあらゆる場面で変化が起きるのです。

ここで一つ、自分の身体に意識を向けてみてください。
今、肩に力が入っていませんか。
奥歯を噛みしめていませんか。
呼吸が浅くなっていませんか。

私たちは人生を変えたいと思うほど、つい力が入ります。
真面目であればあるほど「頑張らないといけない」「ちゃんとしないといけない」と自分を追い込みます。
けれど、その力みが強くなるほど、なぜか前に進みにくくなったり、気持ちが重くなったりすることがあります。

もし今、何かを頑張っているのに空回りしていると感じるなら、それは「力み」のサインかもしれません。

目次

「プッシュにはプッシュバック」——力むほど反発が起きる

コーチングの学びの中に、シンプルだけれど深い言葉があります。

「プッシュには、プッシュバックがある」

強く押せば押すほど、反動が起きるということです。
これは身体の世界でも、人間関係でも、仕事でも同じように起こります。

例えば、自転車に乗っているとき、緊張してハンドルを強く握りすぎると、かえってバランスを崩しやすくなります。
適度に力を抜いている方が、スムーズに進めるのです。

仕事や人間関係でも同様です。
「やらなきゃ」と自分を追い込むほど、気持ちが固くなって動けなくなる。
相手を変えようと正論で押すほど、相手が頑なになってしまう。
成果を出そうと気合を入れるほど、焦りが増えてミスが増える。

こうした反動は、意志が弱いから起きるのではありません。
むしろ自然な反応です。
だから必要なのは「もっと押す」ことではなく、「押し方を変える」ことなのです。

力みに気づいたら、まず呼吸に戻る

力みを手放す最もシンプルな入口は、呼吸です。
呼吸は、いつでもどこでもできるリセットボタンだからです。

もし今、胸が詰まる感じや焦りがあるなら、まずは吸うことよりも先に、ゆっくり吐いてみてください。
吐きながら肩と首の力を少し抜く。
そうすると、次に吸う空気が自然に入ってきます。

ここで大切なのは、上手くやろうとしないことです。
「整えよう」と頑張った瞬間に、また別の力みが生まれてしまいます。
完璧にやろうとせず、ほんの少し緩めるだけで十分です。

何度か繰り返すと、肩の重さが少し軽くなったり、視野がふっと広がったりする感覚があるかもしれません。
その「少しだけ緩んだ状態」から、次のステップに進んでいきます。

意識を未来側に飛ばす——時間の捉え方を変える

呼吸で少し緩んだら、次は「意識の向け先」を変えてみましょう。
コーチングでは、意識を未来側に飛ばすことをとても大切にします。

未来側とは、単なる願望を思い浮かべることではありません。
「望む未来をすでに生きている自分」に意識を向けることです。
今の状況を基準に未来を決めるのではなく、未来を基準に”今”を選び直す感覚です。

半年後、あるいは一年後。
あなたが本当に望む状態で日々を過ごしているとしたら、そのあなたはどんな表情で朝を迎えているでしょう。
どんな場所にいて、どんな空気に包まれているでしょう。
どんな人と、どんな会話をしているでしょう。
そして、その未来のあなたは、今のあなたに何と言葉をかけるでしょう。

細部まで決め切れなくても構いません。
ぼんやりでも、意識が未来に向いた瞬間、脳は「それに合う選択肢」を探し始めます。
未来に意識を向けること自体が、現実を動かす準備になるのです。

「未来の結果が現在」という逆転の発想

私たちは「今」を動かしがたい現実だと感じがちです。
しかし、コーチング的にはこんなふうにも捉えます。

今ある状況は、これまでの選択や習慣、セルフトーク、環境が積み重なって形になった”結果”です。
つまり、「現在の結果が過去」と言えます。

そしてもう一つ。

未来を選び、その未来の自分に意識を合わせると、今の選択が変わります。
今の選択が変われば、今日の行動が変わります。
今日の行動が変われば、数週間後、数か月後の結果が変わっていきます。

つまり、「未来の結果が現在」でもあるのです。

例えば、「一年後、海外のプロジェクトでいきいきと働いている自分」を鮮明にイメージしたとします。
すると、その未来に向かって、今日から英語のポッドキャストを聞いてみようか、関連する本を手に取ってみようか、という行動が自然に生まれてきます。
未来が今を引っ張る感覚です。

マインドを上手に使う鍵は「リラックス」

結局のところ、マインドを上手に使う最大のポイントはリラックスです。

リラックスしているとき、人は視野が広がり、発想が増え、相手の言葉を落ち着いて受け取れます。
そして、自分の本音にも気づきやすくなります。

一方で力んでいるとき、脳は「守る」方向に働きます。
守ることは大切ですが、守りだけでは未来は広がりません。
未来に向かって進みたいなら、まずは緩める。
これが、とても大切な順番です。

今日から使える問い——「未来の私なら、今何を選ぶ?」

最後に、今日からすぐに使える問いを一つだけお伝えします。

「未来の私は、今何を選ぶ?」

焦ったとき、うまくいかないと感じたとき、頑張っているのに空回りするときほど、この問いを思い出してください。

意識が未来側に向いた瞬間、今の選択が少し変わり始めます。
その小さな変化が、やがて未来を現実にしていきます。

あなたの未来に向かって。
無理に押すのではなく、呼吸を整え、リラックスしながら。
力みを手放した先に、動き出す未来があります。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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