小さな選択で広がる利他と自己信頼

まずは深呼吸をして、静かな場所で自分の内面に意識を向けてみましょう。
「どんな時に幸せを感じる?」
「どんな瞬間に心から喜びを感じる?」
「今日は何を心からやりたい?」
——この三つの問いを、ゆっくりと心に描いてみてください。
答えに正解や不正解はなく、今のあなた自身の感覚を大切にしてください。

最近、「評価基準が変わりました。
以前は他人の目を気にしていましたが、今は“自分がどう感じるか”を基準に選べるようになりました」という嬉しい報告を受けました。
そのきっかけは、日常の小さな場面で「自分にとって何が大切か」を意識して選択する練習を続けたことでした。
すると不思議なことに、自然と他者のためになる行動が増えていったそうです。
例えば、会議前に同僚に声をかけてみたり、混んだ電車で席を譲ったり、家族に感謝のメッセージを送ったり。
どれも大げさではないけれど、心に残る選択でした。

他人の評価は変わりやすいですが、自分の価値観は常に自分の中にあります。
内なる基準に従って選択を重ねると、結果として利他的な行動が増え、満足感と自己信頼が同時に育まれます。

外部の期待に応じて動くと、意識は「失敗を避ける」ことに偏り、視野が狭くなります。
しかし、自分の基準で動くと「何に価値を置くか」が明確になり、心に少しの余裕が生まれます。
この余裕が、目の前の人の小さな困りごとを見つける力になります。
結果として、自然体での“利他”が増えていきます。

職場では、資料作成に追われる同僚に図表テンプレートを共有するだけで、相手の負担が軽くなり、チーム全体の進行がスムーズになります。
家庭や地域では、スーパーで重い荷物を持つ高齢者にカゴ置き場を譲る一瞬の行動が、その日の自分の足取りを軽くします。
自分自身との関係でも、疲れている同僚に気づけた自分をそっと労い、「よく気づけたね」と心の中で声をかける瞬間が、静かな自己信頼を築きます。

人は誰かの役に立てたとき、最も深い喜びを感じるものです。
他人の評価から解放されるほど、私たちは自分の価値に正直に、静かで力強い利他へと向かいます。
あなたの一日は、きっと少しだけ温かくなるでしょう。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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