未来基準で“心の使い方”を整える

最近、「コーチングを学んで本当に良かったです」という嬉しいメッセージを受け取りました。
普段なら忙しくなる朝の時間帯に予定が重なり、焦りそうになったものの、今回は驚くほど落ち着いて行動でき、会議でのやり取りも簡潔になりました。
コーチングの価値は、こうした日常の“体験の質”を変えるところにもあります。
マインド(心と体)を意図的に上手に使う方法を身につけると、同じ一日でも受け取り方が変わり、結果も少しずつ変わっていきます。

まず確認したいのは、今自分が力んでいないかという点です。
成果を急ぐほど肩や顎に無意識の緊張が走り、視野が狭くなります。
心が前のめりになると、思考は「失敗しないように」という守りに偏り、パフォーマンスが落ちやすくなります。
そこで役立つのが、呼吸に注意を向けるというごく簡単な方法です。
呼吸は「今ここ」に戻るための最も確かなアンカーです。
身体のこわばりがほどけると、思考の柔軟さも自然に戻り、選択肢が広がります。

実践は驚くほど簡単です。
深呼吸をするだけで、力みが和らぎ、頭の中に少し余白が生まれます。

リラックスという土台ができたら、次は意識を未来に向けます。
抽象的な成功像よりも、具体的な情景を短い時間で描くのがコツです。
たとえば翌朝のプレゼンを控えているなら、会場の照明の明るさ、空調の肌ざわり、最初に発する一言の声の響き、スライドをめくる指先の動き、聞き手の頷きや表情、発表後に受け取る安心感と静かな達成感までを、数十秒でなぞってみます。
完璧に描こうとする必要はありません。
望む状態に関係する一場面、一感覚で十分です。
臨場感が高まるほど、脳はそれを「現実」として扱い始め、姿勢や声色、言葉選びといった細部が自然に整っていきます。

「現在の結果が過去」「未来の結果が現在」と言われる通り、いま目の前にある結果は、過去の選択と考え方の積み重ねです。
そしてこれから手にする結果は、まさに今日この瞬間の考え方と行動から立ち上がります。
だからこそ、今日の“心の使い方”を少し変えるだけで、未来の軌道は確実に変わっていきます。

「力みがないと頑張れない」という思い込みがありますが、実際には逆です。
身体が緩むほど視野が広がり、選択が増え、動きにムダがなくなります。
トップアスリートがピーク時に“頑張っている感覚が薄い”と語るのは、余計な力が抜けて集中だけが残っているからです。
また、「イメージだけでは現実は変わらない」という懐疑もよく耳にします。
イメージは行動の下地です。
臨場感が高まれば、声のトーンや姿勢、語彙の選び方といった微細な部分が変わり、その連鎖が現実の結果を動かします。
さらに「うまく描けない」という悩みに対しては、完璧さは不要だと伝えておきたいです。
会議室のドアノブの冷たさ、入室して最初に交わす挨拶の声の高さ、椅子に座ったときの呼吸の深さ——どれか一つで十分です。
続けるうちに解像度は自然に上がります。

心を効果的に活用するための秘訣は、まずリラックスして心に余裕を持たせ、未来のビジョンを短時間で強く感じ取り、今できる行動に変換することです。
深呼吸をし、視野を広げ、姿勢を正して、未来の自分に挨拶してみましょう。
今日の一歩は小さくても構いませんが、その一歩が確実に進路を修正し、最終的には大きな違いを生むでしょう。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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