「本当にやりたいことは何ですか?」と問われて、すぐに答えられる人は少ないでしょう。
日々の忙しさや社会の常識に押されて、心の声がかき消されているのかもしれません。
ここで言う「“want to(やりたい)”」とは、努力や義務感で自分を駆り立てる力ではありません。
自然に手が伸び、時間を忘れて没頭してしまうような、内側からの推進力です。
疲れていても不思議と集中できる活動や、終わった後に心が軽くなるような行動に、そのエネルギーは潜んでいます。
落ち着ける場所で深呼吸を数回。
心が落ち着いたら、ノートに短い段落で思いを綴ります。
最初の段落では「本当にやりたいことは何か」と問いかけ、仕事や趣味、人間関係など、浮かんだ情景をそのまま書き出します。
次の段落では「止められてもやりたいことは何か」を探ります。
もしそれをしないと落ち着かないようなことがあれば、遠慮なく言葉にします。
最後の段落で「残された時間で必ずやりたいこと」を見つめます。
大きくても小さくても構いません。
書き終えたら読み返し、心が広がる感じや呼吸の深まり、視線が自然と上向く感覚を手掛かりに、どの文章が“want to”を帯びているかを感じ取ります。
「時間がない」と感じるときは、1時間を確保しようとせず、15分を週に5回という形に切り替えます。
移動や待ち時間、家族が寝静まった後など、同じ隙間を毎日同じタイミングで使うと習慣化が早まります。
「何も思い浮かばない」ときは、過去に褒められたこと、つい追ってしまうテーマ、お金を払ってでも体験したいことを、過去・現在・未来の順で短い段落にまとめます。
写真フォルダを一年分さかのぼって、心が反応した瞬間を拾い直すのも効果的です。
「義務感が混ざる」ときは、同じ行為でも目的の言い換えを試します。
例えば英語学習なら、「勉強しなきゃ」ではなく「好きな海外クリエイターのインタビューを字幕なしで理解したい」と言い換えるだけで、行動が変わります。
場所は集中のスイッチです。お気に入りのカフェや図書館、自宅の特定の椅子など、「ここに座ると自然に始まる」場所を一つ決めます。
時間はリズムの芯です。
週に一度、まとまった1時間を確保して、進捗の振り返りと次週の計画を行います。
15分の積み重ねに、週一回の見直しで芯を通すイメージです。
“want to”は、探し回るほど遠のくものではなく、実験を重ねるほど輪郭がはっきりするものです。
今日の15分が、明日の出会いや情報の流れを柔らかく変えます。
どうか、今手帳を開き、最初の枠を置いてみてください。
一つひとつの確認が、あなたの未来を静かに、しかし確実に開いていきます。
