日々の忙しさに追われると、心が少し遅れてついてくるように感じることがあります。
そんなときこそ立ち止まり、「今の自分は本当にやりたいこと(want to)をしているのか」と静かに問いかけてみてください。
時折、「今、無理して頑張っているな」と感じる瞬間があります。
ここでの“努力”とは、本当はやりたくないことを無理に続けている状態を指します。
夢中になって時間を忘れるとき、人はそれを努力とは呼びません。
肩の力が抜け、呼吸が自然で、作業後には充実感が残ります。
逆に、「やらないと評価が下がるから」「周囲がそうしているから」といった外的な理由が中心になると、やりたい気持ちは薄れ、やらなければならないという感覚が前面に出てきます。
時には「努力」という言葉に置き換えられ、他人の都合に自分の時間やエネルギーが吸い取られていることもあります。
今目の前のことが本当にやりたいことかどうかは、あなたの目指す未来から判断します。
今取り組んでいることは未来の自分につながっているか。
今日の忙しさは、数カ月後の自分が「やってよかった」と思えるものか。
こうした問いを投げかけるだけで、曖昧だった優先順位が不思議と整っていきます。
まず、仕事の追加依頼について。
締め切りが迫る時期に「ついでにこれもお願い」と頼まれたとします。
新しい学びがあり、来年の役割拡大に直結し、自分の強みを試せるのであれば、やりたいことに近づきます。
一方で「断れない雰囲気だから」が理由の中心で、やり終えたときに消耗感しか残らないなら、やらなければならないことの色が濃い証拠です。
こうした場合は、期限や範囲を交渉して、未来に価値が出る形へ調整してみましょう。
次に学びや資格の勉強。
学んだ内容を来年のプロジェクトで試す予定があったり、アウトプットする場が決まっていたりすると、自然に前向きになります。
逆に「資格があれば評価が下がらないから」だけが理由だと、手は動いても気持ちはついてきません。
誰にどう役立てるかまで言語化してから着手すると、勉強そのものが未来への投資として手応えを持ちはじめます。
忙しい日でも、次の3つを心の中で素早く確認してみてください。
第一に、今取り組む理由は外的な評価や同調ではなく、内的な好奇心や成長に根ざしているか。
第二に、やり終えた自分の顔を思い浮かべたとき、その表情は明るいか。
第三に、もし重く感じるなら、時間や範囲、関わる人などの条件を一つ変えるだけで軽くなるか。
このどれかが引っかかるなら、開始前に条件を一つだけ動かしてみましょう。
たとえば所要時間を30分短くする、同僚とペアで進める、成果物の基準を「完璧」から「必要十分」に下げる――それだけで体感が変わります。
小さなステップから始めてみると、勢いがついて自然と続けられるようになります。
お気に入りの音楽を流したり、淹れたてのコーヒーを用意したりすると、作業に取りかかりやすくなります。
また、作業の捉え方を変えるのも効果的です。
「疲れる作業」ではなく「未来の自分への投資」と考えると、同じ一時間でもその価値が変わります。
特に忙しいこの時期には、「自分が本当にやりたいことに取り組んでいるか」を確認してみてください。
それがゴールにとって価値のある忙しさなのか、単なる消耗なのかを見極めましょう。
条件を一つ整えるだけで、同じ作業が未来に影響を与える時間に変わります。
今日の選択が、未来の自分を喜ばせるものになるようにしましょう。