私たち一人ひとりには、社会の中で果たしたい役割や提供したい機能が必ずあります。しかし、それを明確にするのは容易ではありません。特に「できること」ではなく、「したいこと」を見つけるには、自己探求が必要です。その手助けとなるのが「ラベリング」という手法です。
「ラベリング」とは、自分の内面や感覚を言葉に置き換える作業です。このプロセスを通じて、自分が何を感じ、考え、望んでいるのかを再確認できます。普段は無意識に見過ごしている感覚を言葉として捉えることで、新たな発見や気づきが生まれます。
「ラベリング」を行うことで、これまで見えなかった自分の感覚や欲求が明確になり、そこから自分を変える方法が見えてきます。例えば、何に喜びを感じ、何に苦手意識を持っているのかが分かれば、自分の得意分野や興味のある領域がよりはっきりしてきます。
以下の問いかけをもとに、あなたの感覚をラベリングしてみましょう：
・何が見えますか？
・何が聞こえますか？
・どんなにおいがしますか？
・どんな味がしますか？
これらの問いに対して、心に浮かんだことを具体的に言葉にしてみてください。たとえば、「穏やかな青空が見える」「木々のざわめきが聞こえる」「草木の香りがする」「甘酸っぱい果実のような味がする」といった具合です。このプロセスを通じて、普段意識していない感覚が目に見える形で浮かび上がってきます。
ラベリングを続けるうちに、「自分はこういうことをしたい」「こういう価値を提供したい」といった思いが自然に見えてきます。
ラベリングを行うことで、あなたがいる「世界」をもう一度確認できます。それは、単に物理的な環境ではなく、あなたが感じている感情や価値観に基づいた「あなたの世界」です。その世界を理解することが、あなたが社会に提供したい機能を発見する鍵となります。
あなたは社会でどのような「機能」を果たしたいと思いますか？それは具体的にどんな形をとるものでしょうか？
もし答えがまだ曖昧であっても大丈夫です。まずは自分自身の感覚をラベリングし、何度も言葉にしてみてください。そして、それを他者と共有することで、さらに明確な形へと進化させていきましょう。
あなたが果たしたい機能は、きっと社会の誰かにとって必要なものであり、それがあなたの存在価値をさらに輝かせるはずです。
