前回の記事では、「老後」というカテゴリーをゴールに加えることで、
思いがけない心理的盲点が解消された事例を紹介しました。
今回はその続編として、
「老後を考える際に留意すべきポイント」をお伝えします。
老後に関する情報を目にすると、
多くの場合、「年金」「貯蓄」「資産運用」といった
経済的な側面に焦点が当てられがちです。
確かに、
お金は生活の安定や安心感に欠かせない要素ですが、
それだけが老後のゴールを考える際のポイントではありません。
老後のゴール設定で重要なのは、
「お金」を中心に考えるのではなく、
あなた自身がどのように生きたいかという視点です。
心から満たされた老後を送るためには、
経済的な計画以上に、
どんな価値観やゴールを持って生きるかが重要になります。
老後のゴールを設定する際に陥りがちな誤りは、
現在の状況を前提に未来を設計してしまうことです。
たとえば、
「今の収入であれば、老後の生活はこんな感じだろう」といった具合に、
現在の延長線上で未来を描いてしまうケースが多く見られます。
しかし、
これはゴール設定の本質とは異なります。
ポイントは、ゴール側の視点から考えることです。
「理想の老後のあなた」になったつもりで、
その視点から今の自分に問いかけてみるということです。
たとえば、こんな問いを考えてみましょう:
老後にやりたいことは何か?
どんな環境で暮らしているか?
どんな趣味や活動に没頭しているか?
老後において大切にしたい人間関係は?
日々どんな気持ちで生活していたいか?
こうした質問に向き合うことで、
理想的な未来が具体化されていきます。
そのビジョンが見えたら、
その未来の自分ならどんな選択をするかを基準に、
現在の行動を見直すことができるのです。
ゴールを考えるとき、
「できるかどうか」を気にしないことが大切です。
たとえ今の収入や生活環境からは実現不可能に見えても、
それに囚われず、
自分が心からワクワクする未来を思い描きましょう。
そのビジョンが明確になれば、
自然と今取るべき行動が見えてくるはずです。
この視点に立つことで、
制約に縛られた「今の延長の未来」ではなく、
自由で創造的な未来を描けるようになります。
未来の自分を思い描くことは、
今の自分を変える最初の一歩です。