初めの一歩は・・・

私たちはしばしば「時間は過去から未来へと一方向に流れる」と考えがちですが、実際には未来を想像することが現在の行動を形作り、その行動が過去の見方を変えています。
つまり、今は単なる過去の延長ではなく、未来との双方向のやり取りの中に存在しているのです。

日々の通勤や買い物など、私たちの行動の多くは無意識のルーティンに基づいています。
そこで、たとえば一駅だけ乗降駅を変えてみると、普段通らない裏通りや新しくオープンしたカフェ、意外な公園に気づくことがあります。
毎朝いつもの駅ではなく、一つ先の駅から始めることで、近所の小さなベーカリーを発見し、そこが朝のリラックスタイムの場になることもあるでしょう。

新しいパソコンが必要だと感じたとき、「スマホだけで十分かもしれない」と購入を一旦見送るのも一つの方法です。
そうすることで、自分の作業スタイルに本当に必要な機能やデバイスが明確になり、無駄な出費を抑えることができます。
ノートパソコンを買うか迷った結果、スマホとタブレットの組み合わせで過ごしてみたところ、逆に作業効率が向上し、結果としてパソコンを買わずに済むこともあります。
同様に「美味しいものをお腹いっぱい食べたい」と思ったときに、あえて苦手な食材を少量だけ試してみることで、これまで知らなかった味を発見し、食への興味が広がることもあります。

このように普段とは異なる行動や逆説的な選択を繰り返すことで、「自分が見たいものしか見えない」という心の盲点、すなわちスコトーマが自然と外れていきます。
その結果、新製品の広告や通りすがりの看板、ふと目に留まる記事など、これまでなら見過ごしていた情報にも注意が向くようになります。
この気づきの連鎖は、新たなアイデアや選択肢を生み出すきっかけとなり、未来に向けた視野を大きく広げてくれるでしょう。

未来を意識して現在の行動を少しだけ変えてみることは、特別な努力を必要としません。
ただ一駅だけずらした通勤ルートや、購入を見合わせる逆説的な選択など、小さな実験を通じて見えてくる新しい景色や気づきを楽しんでください。
こうした未来から現在への働きかけが、あなたの日常をより豊かにし、新たな可能性へと導いてくれるはずです。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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