ゴールはwant to?ビジュアライゼーション術

ゴールを設定し、日々ビジュアライゼーションに取り組んでいるあなたへ。
まず確認したいのは、そのゴールが本当に「やりたいこと(want to)」なのかという点です。
周囲の期待や常識から生まれた「やらなければならないこと(have to)」が混じっていないか、一度立ち止まって見直してみてください。
ここがずれていると、ビジュアライゼーションは努力や根性に頼ることになり、続けるほどに息苦しさが増してしまいます。

ビジュアライゼーションは単なる空想ではありません。
望む未来のシーンを具体的に思い描き、その感覚や基準を現在の生活に取り入れる練習です。
多くの人は過去の失敗や評価に影響されがちですが、ビジュアライゼーションはその流れを逆転させます。
未来の出来事が現在の選択に影響を与えるように、注意の向け先や行動の基準を変えるのです。
例えば、「一年後、海外の友人と笑いながら英語で雑談している自分」を鮮明に思い浮かべると、今朝の五分をSNSではなく発音練習に使いたくなる。
こうして未来のビジョンが、今日の小さな一歩を後押しします。

「want to」と「have to」の違いは、理屈だけでなく身体感覚にも現れます。
達成シーンを思い描いたとき、胸が広がるように感じたり、呼吸が自然に深くなったり、時間を忘れて没頭する感覚があるなら、それは「want to」のサインです。
逆に、肩や胃のあたりが固くなり、締め切りや他人の目が唯一の動機になっているなら、「have to」が混じっている可能性が高いでしょう。
静かに目を閉じ、達成場面を一枚の写真のように思い浮かべ、体のどこが軽くなるか、表情はゆるむか、今すぐ少しやってみたい気持ちが湧くかを観察してみてください。
3つのうち2つでも肯定的な反応があれば、方向は合っています。

家族や職場の善意、SNSで見かける成功談、過去にもらった評価は、私たちを守ってくれる一方で、ゴールを他人の基準にずらすことがあります。
親やパートナーは安定を願い、同僚は組織の常識を重んじ、SNSは「映える結果」を強調します。
これらはどれも悪者ではありませんが、あなた自身の喜びと一致するとは限らないのです。
資格の取得を続けていた方が、ビジュアライゼーションの中で「人の学びを後押ししている自分」を見つけ、資格そのものではなく学び合いの場づくりに舵を切ったところ、行動が自然に増えたという例はよくあります。
評価のための努力から、喜びのための継続へ。
転換点は、ビジュアライゼーションの中で自分がどんな表情をしているかに気づく瞬間に訪れます。

英語学習を例にとると、昇進条件のスコアのために学ぶとき、動機は期限に縛られがちです。
一方で「旅先で出会った人と自由に話したい」「海外にコーチングを広げたい」というビジョンが核にあると、会話の楽しさが先に立ち、練習の時間を取りやすくなります。

進むことも、立ち止まることも、あなたの選択次第です。
立ち止まることは後退ではありません。
もし、ゴールを思い描いても心が動かず、達成のイメージが他人の評価に依存していると感じたり、行動後に疲労感だけが残るなら、それは方向を見直すサインです。
ゴールを新たに設定することを恐れずに試してみましょう。

そのゴールは、誰の目がなくても続けたいものですか?
イメージしたとき、体はリラックスしますか、それとも緊張しますか?
達成後の自分はどんな言葉を使い、どんな姿勢や呼吸をしているでしょうか?
今日から始められる一歩は何でしょうか?
その一歩を、日々のどの習慣と結びつけられるでしょうか?
さまざまな問いを投げかけてみましょう。

ビジュアライゼーションは、未来を現在の基準に変える技術です。
自分の「want to」に結びつけ、肩の力を抜き、静かな呼吸に戻り、自分自身に問いかけてください。
心が軽くなる方向が、次の一歩の正解です。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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