人生の時間を「あなたらしく」使うために──ゴールを自分で選び、自分で進んでいくということ──

私たちの人生の時間は限られており、今日という日や今この瞬間は二度と同じ形で戻ってきません。

その限られた時間を、あなたはどのように過ごしたいですか?
そして、心の底ではどのように過ごしたいと願っていますか?

「今のままで満足なのか」
「もっと自分らしく生きるとしたら、どんな時間の使い方をするのか」

そんな問いを自分に静かに投げかけてみましょう。

人は、意識を向けた方向に進んでいくものです。
日常の小さな場面を思い浮かべるとよく分かります。

例えば、自転車に乗っているとき、行きたい方向を見つめると自然とそちらに進みます。
逆に、「あの電柱にぶつかりたくない」と思ってそこばかり見ていると、なぜか避けたい電柱に近づいてしまうことがあります。

人生も同じです。「何を目指しているのか」「どんな未来を見ているのか」によって、日々の選択や行動が少しずつ変わり、その積み重ねが人生の方向を決めていきます。

だからこそ、まずは「どこを見て生きていくのか」を明確にすることが大切です。
そのために必要なのが「ゴールを設定する」ということです。

もし、ゴールがなかったらどうなるでしょうか。

朝起きて、仕事に行き、帰ってきて、疲れを癒やして眠る。
その繰り返しだけで一日が終わってしまうかもしれません。

もちろん、生活を維持することはとても大切です。
しかし、「生命維持だけで精一杯」の状態が続くと、次第に心のエネルギーが落ちていきます。

やりたいことは何だったのか。
どんな自分で生きたかったのか。
本当はどんな毎日を送りたかったのか。

そうした問いが、心の奥で少しずつ曖昧になり、「なんとなく過ぎていく毎日」に飲み込まれてしまうこともあります。

ゴールを持つというのは、ただ頑張る理由をつくることではありません。
「私の人生の時間を、こう使いたい」「私は、こんな世界で、こんな自分として生きたい」そうやって、自分の時間の使い方に“方向”を与えることです。

方向が決まると、不思議とエネルギーも湧いてきます。
多少の困難があっても、「どこに向かっているのか」が分かっているだけで、踏み出す力が生まれてきます。

ここで、こんな不安が浮かぶかもしれません。

「自分のゴールと言いながら、本当は親や会社、世間の期待に合わせて決めているだけかもしれない」

実際、多くの人の最初のゴールは、少なからず周りの価値観の影響を受けています。

例えば、「いい大学に入るのが当然だ」と言われ続けてきた人は、いつの間にかそれを目指すことが「自分のゴール」になっていることがあります。
「安定した会社に入るべきだ」という環境で育った人は、「好きなこと」よりも「安定」を優先してゴールを決めてしまうこともあるでしょう。

こうしたことは、多くの人が一度は経験する、ごく自然なプロセスです。

重要なのは、「最初のゴールが他人から植え付けられたものであっても、そこから先を自分で選び直せる」ということです。

もし今のゴールがどこか「しっくりこない」と感じるなら、それは新しいゴールを設定するサインかもしれません。
頑張れてはいるけれど、心の奥のワクワクが足りない。
そんな違和感があるなら、一度立ち止まり、今の延長線上ではない“現状の外側”にゴールを置き直してみるチャンスです。

現状の外側にゴールを設定するとは、
「今の自分には無理があるけれど、本当にそうなったら嬉しい未来」を選ぶことです。

例えば、英語はほとんど話せないけれど、「海外の人と一緒に仕事をしている自分」を思い描くのも一つのゴールです。
そのゴールを持つことで、通勤時間に英語の音声を聞いてみようかな、と自然に行動が変わるかもしれません。

今の仕事に違和感を抱えている人なら、「心からやりがいを感じられる分野で活躍している自分」をゴールに据えてみてもいいかもしれません。
すぐに転職する必要はなくても、興味のある分野の本を読んだり、セミナーに参加したりといった小さな行動が、やがて新しい道へとつながっていきます。

こうしたゴールは、最初は「本当にこんなこと、できるのかな」と感じるものです。
けれど、その少しの不安やドキドキこそが、現状の外側に出ていくサインでもあります。

そして、一度ゴールを決めると、日々の選択が少しずつ変わっていきます。
その積み重ねが、やがて自分でも驚くような変化を生み出していくのです。

ここまで読んでくださった今のあなたに、あらためて問いかけたいことがあります。

あなたの「ゴール」は、どこにありますか?
それは、誰のためのゴールでしょうか?
そして、あなたの人生の時間を、そのゴールに向かって使っていきたいと、心から思えるでしょうか。

もし、まだはっきりしていないのであれば、今から少しだけ時間をとって、静かに考えてみてください。

たとえば、どんな場所で、誰と、どんな表情で毎日を過ごしていたいのか。
仕事ではどんな役割を担っていたいのか。
健康面ではどんな自分でいたいのか。
家族や友人とはどのような関係を築いていたいのか。
そして、趣味や学びの時間を、どのように楽しんでいたいのか。

「こんなふうになれたらいいな」と、今は少し照れくさいけれど、心のどこかで願っている未来があるはずです。
そのイメージこそが、あなたのゴールのヒントです。

人生の時間を「自分らしく」活用するために、他人が設定したゴールではなく、自分自身が本当に望むゴールを選んでみましょう。

その瞬間から、あなたの時間は単に流れていくだけではなく、
「望む未来に向かって進む時間」へと、静かに変わり始めます。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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