あなたは今、自分の望む方向へ進めていますか?
もし少しでも「こんなはずじゃない」「もっと違う自分がいる気がする」と感じているなら、今日のお話は、あなたにとってのターニングポイントになるかもしれません。
その欲望は、誰のものですか?
まず確認したいことがあります。
それは、あなたが追いかけているものが、本当にあなた自身の望みなのかどうか、ということです。
私たちは気づかないうちに、周囲の期待や世間の空気、SNSで見かける「成功像」、会社や家族の価値観に影響されます。
すると、心の奥で「本当は違うのに」と感じながらも、無難で安全な選択を繰り返してしまうことがあります。
たとえば、昇進や資格取得、収入アップを目指しているのに、なぜか気が重い。
周りが「それが正解だ」と言う道を歩んでいるのに、どこか満たされない。
頑張っているはずなのに、焦りや不足感がなかなか消えない。
そんな状態に心当たりはないでしょうか。
こうした違和感の背景には、「他人が与える欲望」が混ざっていることがあります。
自分の内側から湧いた願いではなく、「こうあるべき」「こう見られたい」「周りに遅れたくない」という外側の基準で動くほど、心は満たされにくくなります。
なぜなら、そのゲームのルールを決めているのが自分ではないからです。
他人が仕掛けたルールの中で勝とうとすると、どれだけ成果を出しても、どこかで「まだ足りない」と感じやすくなってしまいます。
「できる範囲」で選ぶという落とし穴
ここで、ゴール設定について考えてみましょう。
あなたは「自分にできそうな範囲で」「失敗しなさそうなことから」「今の延長線上で叶いそうなものを」と選んでいませんか。
これは一見、現実的で賢い選択に見えます。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
「できる範囲」の判断は、過去の経験が作った自己イメージによって決まることが多いのです。
つまり、「できる範囲で選ぶ」という行為は、無意識のうちに、過去の自分に未来を決めさせることになりやすいのです。
たとえば、学生時代に人前で話すことで恥ずかしい思いをした人は、「自分は話すのが苦手」という自己イメージを持ち続けることがあります。
そのまま大人になると、本当は講師をしたり、自分の考えを発信することに興味があるのに、無意識にそうした機会を避けてしまう。
すると「やりたいことが分からない」という感覚につながることもあります。
また、かつて挑戦して失敗した経験から、「自分には向いていない」と決めつけてしまうこともあります。
その一度の経験が、その後何年もの選択肢を狭めてしまうのです。
ここで起きているのは、能力不足ではありません。
自己制約です。
自分の可能性を、知らないうちに自分で小さく切り取ってしまっている状態です。
目の前の世界は「心の中の世界」が映ったもの
コーチングの世界では、次のように捉えます。
あなたの目の前の世界は、すべてあなたの心の中にある世界だ、と。
外側の出来事が人生を決めるように見えても、実際には「その出来事にどんな意味を与えているか」「自分は何者だと思っているか」が、行動や選択をつくっています。
コーチングの祖として知られる故ルー・タイスは、こう言いました。
「すべての意味ある永続的な変化は、内側で起こり外側へと広がる。」
つまり、人生が変わる順番は、外側ではなく内側から始まります。
自己イメージや信念、「当たり前」だと思っている前提が変わると、見える世界が変わります。
見える世界が変わると、自然に行動が変わり、結果が追いついてきます。
だからこそ、外側を無理に変えようとする前に、まず内側を整える必要があるのです。
自己イメージを高く保てると「解決策」が見える
自己イメージを高く保てると、人は自然と「必要な情報」を拾えるようになります。
たとえば、引っ越しを考え始めると、急に街の不動産広告が目に入るようになります。
車を買おうと思うと、同じ車種を街でよく見かけるようになります。
これは「急に増えた」のではなく、意識が向いたことで、見えるようになったのです。
自己イメージが低いと、「自分には無理」「どうせ無理」という前提で世界を見るため、可能性につながる情報が入ってきにくくなります。
反対に、自己イメージが高いと、「自分ならできる」「方法は見つかる」という前提が働き、必要な出会い、ヒント、選択肢が自然と目に入りやすくなります。
まずはゴール設定から始めよう
では、どこから変えればいいのでしょうか。
答えはシンプルです。
ゴール設定から始めましょう。
ここで言うゴールは、「現実的な目標」ではありません。
今の自分の延長線上で叶うものではなく、あなたの中に眠っている本音が喜ぶ未来です。
イメージをつかむために、いくつかの問いを自分に投げかけてみてください。
もし制約が一切なかったら、どんな一日を過ごしたいですか。
誰にも評価されないとしても、本当は何をやってみたいですか。
「できる/できない」を一度横に置くなら、何を選びますか。
その未来が叶ったとき、あなたはどんな表情をしていますか。
最初はぼんやりとしたイメージで構いません。
大切なのは、他人の正解ではなく、自分の本音の方向へ矢印を立てることです。
ゴールが定まると、内側が変わり始めます。
内側が変われば、外側の世界の見え方が変わります。
そして行動が自然に変わり、結果が追いついてきます。
最後に:あなたのゴールへ向けて
もし今、あなたが「何かが違う」と感じているなら、それはあなたの中に、まだ見ぬ可能性が残っているサインです。
その違和感は、あなたの本音が発しているメッセージかもしれません。
他人が与える欲望に縛られず、「できる範囲」で自分を閉じ込めず、あなた自身の望みを選び直してみてください。
あなたは、何でもできます。
これは根性論ではありません。
自分の本音に従ってゴールを設定し、自己イメージを高く保つことで、見える世界が変わり、自然と可能性が広がっていく。
それがコーチングの考え方です。
だからこそ、まずはゴール設定から。
あなた自身のゴールへ向けて、静かに、しかし確かな一歩を踏み出してみてください。
