「ゴールを決めたのに、なぜか行動に移せない」
「考えれば考えるほど、何をすればいいか分からなくなる」
「理想はあるのに、今日の一歩が決まらない」
もしあなたがそう感じているなら、それはやる気や能力の問題ではありません。
実は、抽象度の調整ができていないだけかもしれないのです。
今日は、ゴール達成を安定させる鍵──「抽象度の上げ下げ」についてお伝えします。
ゴールを設定するときは、抽象度を「上げる」
ゴールを設定するときに大切なのは、抽象度を上げることです。
抽象度とは、目の前の出来事を「より大きな視点」「より本質的な意味」で捉える度合いのこと。
たとえば「売上を上げたい」というゴールも、抽象度を上げると「お客様に価値を届けたい」「信頼を築きたい」「自由な働き方を実現したい」といった”本質”の方向へ広がっていきます。
抽象度は、理論上どこまでも上げられます。
だからこそ、ゴール設定の段階では「今の自分の延長線」だけに閉じず、視野を広げて「自分は何を大切にして生きたいのか」「どんな状態を当たり前にしたいのか」と問い直すことが効果的です。
進むときには、抽象度を「下げる」
一方で、ゴールに向かって動き出すときには、抽象度を下げることも欠かせません。
なぜなら、私たちが現実の世界(物理空間)で行動するときは、「具体」がなければ動けないからです。
たとえば「日本中の人々の健康意識を高め、予防医療の文化を根付かせたい」というゴールがあったとします。
抽象度が高く、方向性としては素晴らしいものです。
しかし、そのままだと今日の行動は決まりません。
そこで抽象度を下げていくと、
- 週3回、健康に関する発信をする
- 月に1回、地域の健康イベントに参加する
- 毎日、自分自身が健康的な生活を実践する
といった形で「今日できる一歩」に変換できます。
抽象度を下げることで、行動が具体化し、結果としてエネルギー(やる気・集中・推進力)が出やすくなるのです。
「一度上げた抽象度を下げる」と、エネルギーが出る
ポイントは、最初から具体だけでゴールを作らないことです。
いきなり「毎日30分勉強する」のような具体目標だけを立てると、途中で意味を見失いやすくなります。
なぜなら、その行動が「何のためなのか」が弱いからです。
いったん抽象度を上げて「なぜそれをやりたいのか」「それが実現したらどんな世界になるのか」を明確にする。
そのうえで、必要な場面では抽象度を下げて「今日の行動」「次の一手」に落とし込む。
この上げ下げができると、気合いに頼らずに、エネルギーを”狙って”出せるようになります。
伝えるときは「相手の抽象度」に合わせる
抽象度の調整が必要なのは、自分が実践するときだけではありません。
誰かにゴールや考え方を伝えるときも、相手の抽象度に合わせることが重要です。
たとえば、あなたが「目的」「理念」「可能性」といった抽象度の高い話をしているのに、相手が「結局、何をすればいいの?」という状態だと、話は届きません。
逆に、相手が未来や価値観の話をしたい状態なのに、手順や方法論ばかり話すと、心が動きません。
ここで必要なのが、いわゆる待機説法(相手の理解度・状態に合わせて伝え方を変えること)です。
相手の立っている階層に降りていく/あるいは引き上げていく。
その調整ができると、コミュニケーションの摩擦が減り、「伝わる」確率が一気に上がります。
あなたの「抽象度」は、自由に操れる
今日から、ほんの少しだけ。
自分に問いかけてみてください。
「今の自分は、抽象度が高すぎないか? 低すぎないか?」
「このゴールは、本当に心から望んでいるものか?」
答えは一つでなくて構いません。最初は曖昧でも構いません。
大切なのは、あなたの内側が「それだ」と反応する方向を、丁寧に選び続けることです。
ゴールを作るときは抽象度を上げ、進むときは抽象度を下げ、伝えるときは相手に合わせて調整する。
この「上げる」「下げる」を自由にできると、迷いにくくなり、ゴールへ向かう道が太くなります。
あなたには、抽象度を自在に操り、ゴールへ確実に進んでいける力が、すでにあるのです。
