達成方法が見えないくらいがちょうどいい──本当のゴール設定とは

「ゴールは立てているのに、毎年同じような一年を繰り返している」
「計画通りに進んでも、どこか物足りなさが残る」
「もっと大きなことをやりたいのに、何をすればいいか分からない」

もしあなたがそう感じているなら、それは行動力が足りないからではありません。
実は、ゴールの「設定場所」が現状の内側に収まっていることが、変化を妨げているのかもしれないのです。

今日は、なぜ「達成方法が見えないゴール」がむしろ正しいのか、そして現状の外側にゴールを設定することで何が起きるのかについてお伝えします。

目次

あなたのゴールは、今の自分で達成できる範囲に収まっていませんか?

ゴールを設定するとき、一般的にはこう考えがちです。

「現実的に達成できそうなゴールにしよう」
「まずは小さなゴールから始めよう」
「無理のない範囲で設定しよう」

一見、合理的に聞こえます。
しかし、この考え方には大きな落とし穴があります。

「今の自分で達成できそう」と思えるゴールは、すでにコンフォートゾーンの内側にあるのです。

コンフォートゾーンの内側にあるゴールに向かっても、脳は「いつもの延長」と判断します。
RASのフィルターは変わらず、スコトーマも外れず、見える世界は今のまま。

その結果、行動は変わらず、人生も変わらない。
「ゴールは達成したけれど、何も変わった気がしない」という空虚感が残るのです。

「達成できそうなゴール」が、実は現状を維持している

ここで、少し立ち止まって考えてみてください。

「達成できそう」と感じるのは、なぜでしょうか。

それは、今の自己イメージの範囲内で方法が見えているからです。

方法が見えるということは、今の自分の延長線上にあるということ。
今のスキル、今の環境、今の人間関係の中で手が届く範囲にあるということです。

つまり、「達成できそうなゴール」は、現状を変えるゴールではなく、現状を維持するゴールになってしまっているのです。

売上を10%伸ばす。資格を一つ取る。少し早起きする。
これらは改善であって、変化ではありません。

もちろん、改善自体は悪いことではありません。
しかし、人生を根本から動かしたいのであれば、改善レベルのゴールでは足りないのです。

現状の外側に出るとは、コンフォートゾーンの境界を超えること

では、「現状の外側のゴール」とは何でしょうか。

それは、今の自分には達成方法が見えないゴールです。

「こうなりたい」という願いはある。
しかし、今の自分のスキルや知識、環境では、どうやってたどり着くか分からない。

多くの人は、この「方法が見えない」状態を不安に感じ、ゴールを小さくしてしまいます。
「もっと現実的にしよう」「まずはできることから」と。

しかし実は、方法が見えないことこそが、正しいゴール設定の証拠なのです。

方法が見えないということは、そのゴールが現状のコンフォートゾーンの外にあるということ。
そして、コンフォートゾーンの外にゴールがあるからこそ、脳は本格的に動き始めます。

ゴールが大きいほど、スコトーマが外れ、見える世界が広がる

現状の外側にゴールを設定すると、脳の中で何が起きるのでしょうか。

まず、RASのフィルターが大きく切り替わります

これまでお伝えしてきたように、RASは「自分にとって重要なもの」を基準に情報をフィルタリングしています。
現状の延長線上のゴールでは、この基準はほとんど変わりません。

しかし、現状の外側にゴールを置くと、脳は「今の基準では足りない」と認識します。
すると、RASは新しい基準で情報を探し始め、これまでスコトーマに隠れていた情報が、次々と意識に上がってくるようになります。

今まで気づかなかった人脈、見過ごしていた情報、考えもしなかった方法。
ゴールが大きいほど、RASの切り替わりも大きくなり、見える世界が一気に広がるのです。

さらに、前回お伝えしたように、ゴールが脳にギャップを認識させることで、創造性のスイッチも入ります
「どうやってこのギャップを埋めるか」を、脳が自動的に考え始めるのです。

方法は、ゴールを設定した後に見えてくるもの。
先に方法を見つけてからゴールを設定するのは、順番が逆なのです。

「どうやって?」を先に考えると、ゴールが小さくなる

ゴール設定でよくある失敗があります。

それは、「どうやって達成するか」を先に考えてしまうことです。

「こうなりたい」と思った瞬間に、「でも、どうやって?」と考え始める。
すると、今の自分で方法が思いつくものだけがゴールの候補に残り、方法が見えないものは自動的に除外されてしまいます。

これが、ゴールが小さくなるメカニズムです。

「海外で仕事をしたい」→「でも語学力が…」→「まずは英会話からかな」
「自分のビジネスを持ちたい」→「でも資金が…」→「まずは副業からかな」

最初のwant toが、「どうやって?」というフィルターを通すたびに縮小されていく。
最終的に残るのは、現状の延長線上の小さな改善レベルのゴールです。

ゴール設定では、「どうやって?」は考えなくていいのです。

大切なのは、「何を望むか」だけ。
方法は、ゴールを決めた後にRASと創造性が見つけてくれます。

「どうやって?」を手放す勇気が、ゴールを本来の大きさに保つ鍵なのです。

ゴールを設定する勇気──方法は後から見えてくると信じる

現状の外側にゴールを設定するには、ある種の勇気が必要です。

方法が見えない。道筋が分からない。本当にたどり着けるか確証がない。
その状態でゴールを設定するのは、不安に感じて当然です。

しかし、ここまでお伝えしてきたマインドの仕組みを思い出してください。

ゴールを設定すれば、RASが切り替わり、スコトーマが外れ、見える世界が広がる。
want toのゴールであれば、エネルギーと創造性が湧き出し、脳が自動的に方法を探し始める。
コンフォートゾーンの引っ越しが起き、新しい「当たり前」が生まれる。

これらはすべて、ゴールを設定した後に起きることです。
設定する前には起きません。

だからこそ、まず決める。
方法が見えなくても、決める。

それは無謀ではありません。
脳の仕組みを理解した上での、最も合理的な一歩なのです。

ただし一つだけ条件があります。
そのゴールが、have toではなく、want to──心から望むゴールであること。

want toだからこそ、方法が見えない不安を超えて、ゴールに向かい続けることができるのです。


冒頭でお伝えした、「毎年同じ一年を繰り返している」「計画通りでも物足りない」「何をすればいいか分からない」という体験。
その原因は、ゴールが現状の内側に設定されていたことにありました。

達成方法が見えないくらい大きなゴール。
それは不安のサインではなく、正しい方向に進んでいるサインです。

まずはwant toのゴールを、現状の外側に置いてみてください。
方法は後からついてきます。脳が、あなたの代わりに見つけてくれます。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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