過去に縛られず挑戦するための習慣

私たちが目にする世界は、実際には過去の記憶というレンズを通して再構築されたものです。
初めての場所でも、過去の似た経験や風景と重ね合わせて「知っている」と錯覚することがあります。
これは、脳が膨大な情報の中から重要だと判断したものだけを選び、不要な情報を排除する仕組みが働いているためです。
その結果、過去に自分が重要だと考えた範囲内でしか世界を認識できなくなります。

多くの人は、過去の成功や失敗に基づいて未来を想像し、現状に留まりがちです。
例えば、学生時代に部活動で大きな挫折を経験した人は、新しい挑戦に対して消極的になり、過去の失敗が頭を離れず、新しいプロジェクトに踏み出せないまま時間が過ぎることも珍しくありません。
こうした無意識の思考パターンは、自分の可能性を知らず知らずのうちに狭めてしまいます。

さらに、自分の「基準」が他人によって形作られることもあります。
職場や家庭、友人関係で「こうあるべきだ」と刷り込まれた価値観は、自分の行動を制限します。
同僚の評価を気にして本来やりたい提案を取り下げたり、家族の期待に応えるために自分の本当の願望を抑えたりすることで、他人の期待に応える人生を送り、本当に望む未来から遠ざかってしまうのです。

変化を起こすには、まず「今の自分が過去や他人の影響下にある」という事実を認識することが重要です。
心理学でいう「メタ認知」を活用し、自分の思考パターンを客観的に観察してみましょう。
ノートやアプリに自分が当然だと思っている価値観を書き出すと、思い込みの正体が見えてきます。
この気づきがなければ、新しいゴール設定も次の行動も始まりません。

だからこそ、ゴールは「現状の外」に設定する必要があります。
例えば、「過去最高のTOEICスコアを超える」といった過去の延長線上のゴールではなく、「海外で英語を使ってコミュニケーションをとり、日本と世界の架け橋になる」といった未知の領域を目指してみてください。
そうしたゴールを描くことで、脳のフィルターは必要な情報を自然とキャッチし、過去の失敗や他人の評価といったネガティブな情報は背景に隠れていきます。

まずは、ノートやアプリを使って、自分が当然だと思い込んでいる価値観を書き出してみましょう。
それぞれの項目について、「これは本当に自分の意志なのか」「過去や他人の影響を受けていないか」を自問します。
その上で、新たに設定したゴールを具体化し、達成したときの様子を五感で感じ取れるほど詳細にイメージしてください。
最後に、そこから逆算して必要なスキルや情報を書き出し、すぐに取り組める最初の一歩を決定します。
このプロセスを丁寧に進めることで、過去や他人の影響を超え、自分自身が本当に望む未来へと歩みを進めることができます。

私たちの視野を制限しているのは、いつも「過去」と「他者」の影響です。
このことを認識し、それを超えたところにゴールを設定することが、自由で充実した未来への最初のステップとなるでしょう。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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