先入観を外しゴールへ向かう習慣

私たちの脳は、誰もが経験する「見えているのに見逃してしまう」機能を持っています。
心理学ではこれをスコトーマ(心理的盲点)と呼びます。
これは能力不足ではなく、脳が効率的に情報を処理するために、重要と判断したものに焦点を当て、他のものを背景に退かせるためです。
スコトーマをうまく活用できるかどうかが、創造力や問題解決能力、ゴール達成のスピードに影響を与えます。

スコトーマとは、注意が向けられていない情報が「存在しているのに存在しないかのように扱われる」状態です。
例えば、毎日使うアプリでボタンの位置が変わっても気づかないことや、会議の議事録に解決策が書かれていても見逃してしまうことがあります。
これは視力の問題ではなく、どこに注意を向けているかという認知の問題です。

スコトーマは、他者の何気ない一言で外れることがあります。
長期間停滞していたプロジェクトで「それ、別の部署の課題にも使えるかもしれませんね」と言われた瞬間、予算獲得の道筋や協力者が一気に見えてくることがあります。
新たな視点が加わることで、背景にあった情報が前面に浮かび上がり、新しいアイデアが生まれます。

共通の目的や価値観を持って話し合うと、オンラインでもオフラインでも「場の臨場感」が生まれます。
対話が進むと、断片的だった情報がつながり、やがて面となります。
このとき高まるのがエフィカシー(自分はゴールを達成できるという確信)です。
臨場感のある場では、「できない理由」よりも「実現する方法」に注意が向き、行動が自然に具体化します。

コーチがいなくてもゴール達成は可能ですが、コーチがいるとスコトーマを外す速度が上がり、前提を組み替える問いを受け取りやすくなり、行動に移すまでの距離が短くなります。
プロであってもスコトーマはあるため、他者の視点を借りる価値があります。

まずは、言葉の使い方を行動につながる表現に変えることから始めましょう。
「難しい」は「時間がかかるだけ」、「前例がない」は「自由度が高い」と捉え直す。
言葉が変わると、注意の向け方と選択肢の見え方が変わります。

スコトーマは誰にでもあります。
だからこそ、他者の視点と場の臨場感を積極的に取り入れることが、スコトーマを最短で外す方法です。
コーチの役割は、あなたの中にあるリソースを「見える位置」に引き上げること。
学びは点ではなく面で広がり、あなたの行動を静かに、しかし確実に加速させます。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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