「チャンスがあるはずなのに、なぜか見つけられない」
「同じ環境にいるのに、あの人と自分では見えている世界が違う気がする」
「新しいことを始めたいのに、なぜかブレーキがかかる」
もしあなたがそう感じているなら、それは能力や運の問題ではありません。
実は、あなたの脳が何に「ロックオン」しているかで、見える世界が決まっているだけかもしれないのです。
今日は、脳の情報選択の仕組み──「ロックオン」と「ロックアウト」を知り、周囲の声との付き合い方を見直すヒントをお伝えします。
同じ景色なのに、見えているものが違う理由
同じ会議に出席しても、「ここが大事だ」と感じるポイントは人によって違います。
同じ街を歩いていても、新しいカフェに気づく人と、駐車場の空きを探している人がいます。
目の前にある情報は同じはずなのに、一人ひとりが見ている世界は異なります。
なぜでしょうか。
それは、脳がすべての情報を平等に処理しているわけではないからです。
脳は、自分にとって「重要だ」と判断した情報だけを拾い上げ、それ以外をスルーしています。
つまり、あなたが今見ている世界は、脳が「重要」と判断した情報だけで組み立てられた世界なのです。
脳は「重要なもの」にしかピントを合わせない
この脳の仕組みを、コーチングでは「ロックオン」と「ロックアウト」と呼びます。
- ロックオン:自分にとって重要だと判断した情報に、意識が集中する
- ロックアウト:重要でないと判断された情報が、認識から外れる
たとえば、「次はこの車種にしよう」と決めた途端、街中で同じ車種ばかり目に入る。
これは車が急に増えたわけではなく、脳がその車種にロックオンした結果です。
そして同時に、それ以外の車種はロックアウトされ、意識に上がりにくくなっています。
この仕組みは、車だけの話ではありません。
仕事、人間関係、将来の選択──あらゆる場面で、ロックオンとロックアウトは起きています。
ロックアウト──消えた選択肢に気づけない怖さ
ロックオンは便利な仕組みですが、裏を返せば、ロックアウトされた情報には気づけないということです。
たとえば、「自分には人前で話す才能がない」とロックオンしている人がいるとします。
その人の脳は、「うまく話せなかった場面」「否定された記憶」ばかりを拾い上げます。
一方で、「意外と伝わっていた場面」「聞き手が頷いていた瞬間」は、ロックアウトされて見えなくなっている。
本当は可能性があるのに、脳がその情報を消してしまっているのです。
これがロックアウトの怖さです。
選択肢が「ない」のではなく、「見えなくなっている」だけ。
しかし本人にとっては、見えないものは存在しないのと同じに感じてしまいます。
「あなたのため」という言葉が、視野を狭める
では、ロックオンの方向は何によって決まるのでしょうか。
大きな要因の一つが、周囲の人たちの言葉です。
子どもの頃から繰り返し聞いてきた言葉。
親、先生、上司、友人──身近な人が発した言葉が、あなたの脳の「重要度」を書き換えてきました。
「あなたのためを思って言うけど、もっと現実を見なさい」
「そんなの無理に決まっている」
「あなたには向いていないよ」
こうした言葉は、多くの場合、善意から出ています。
しかし善意であっても、その言葉が「自分にはできない」へのロックオンを強化してしまうことがあります。
コーチングでは、こうした存在を「ドリームキラー」と呼びます。
悪意があるわけではない。むしろ心配してくれている。
けれど、その言葉が結果として、あなたの可能性をロックアウトしてしまうのです。
誰と過ごすかが、脳のアンテナを変える
ドリームキラーの反対もあります。
あなたの可能性を信じ、「あなたならできる」と言ってくれる人。
新しい挑戦を応援し、背中を押してくれる人。
そうした人と過ごす時間が増えると、脳の「重要度」が変わります。
- 「自分にもできるかもしれない」にロックオンし始める
- 「どうせ無理」がロックアウトされていく
- 今まで見えなかったチャンスや情報が、視界に入ってくる
つまり、誰と時間を過ごすかは、脳のアンテナの方向を決めるということです。
あなたの周りにいる人は、あなたの可能性を広げてくれていますか。
それとも、知らず知らずのうちに、視野を狭めていませんか。
ロックオンの方向を、未来に向ける
ロックオンの方向は、周囲の声だけで決まるわけではありません。
自分自身で選び直すことができます。
そのために有効なのが、ゴール設定です。
「こうなりたい」「こんな未来を生きたい」というゴールを持つと、脳はゴールに関連する情報にロックオンし始めます。
過去の失敗や他者の否定的な言葉にロックオンしていた脳が、未来に必要な情報を探し始める。
今まで見えなかった選択肢やヒントが、少しずつ視界に入ってくる。
ロックオンの方向を「過去」から「未来」へ切り替える。
それだけで、見える世界は大きく変わり始めます。
あなたの世界を広げるのは、あなた自身の選択
今日から、ほんの少しだけ。
自分に問いかけてみてください。
「今の自分は、何にロックオンしているだろう?」
「見えなくなっている可能性は、ないだろうか?」
答えは一つでなくて構いません。最初は曖昧でも構いません。
大切なのは、「自分のロックオンの方向」に気づき、それを意識的に選び直すことです。
周囲の声に流されるのではなく、自分で耳をかたむける相手を選ぶ。
過去ではなく、未来にロックオンする。
あなたの見える世界を広げる力は、すでにあなたの中にあるのです。
