「提供したい機能」を思い描くと、Want toが動き出す──自分の価値を見つける問いかけ

「自分には何ができるのか分からない」
「やりたいことがあるはずなのに、うまく言葉にできない」

もしあなたがそう感じているなら、それは能力が足りないからではありません。
実は、「できること」から考えようとしているから、かえって見えなくなっているだけかもしれないのです。

今日は、静かな時間をつくり、「提供したい機能(価値)」を思い描くことで、あなたのWant toが立ち上がってきます。

目次

まずは静かな場所で、呼吸を整える

自分の内側に耳を傾けようとしても、慌ただしい状態のままでは難しいものです。
緊張しているとき、私たちの意識は「外側」に向きがちです。周りの評価、締切、失敗への不安──そうしたものばかりが大きく見えて、本音は小さくなってしまいます。

だからこそ、まずは静かな場所へ移動して、深呼吸をしてみてください。
肩の力を抜き、鼻からゆっくり吸い、口から長めに吐く。
目を閉じても開いたままでも構いません。

30秒でも構いません。
この小さな準備が、自分の内側にある感覚を拾い上げるための入り口になります。

「できること」ではなく「提供したいこと」から始める理由

私たちはつい、「何ができるか」「失敗しないか」「求められているか」という基準で自分を測ってしまいます。

すると行動は「やらなければならない」に寄り、頑張っているのにどこか重い、という状態になりがちです。
これは、過去の経験や周囲の評価に引っ張られているからです。

ところが、「私は何を提供したいのか」を起点にすると、行動の質が変わります。
そこには、無理に自分を奮い立たせる感じよりも、「気づけばやってしまう」という自然さが生まれやすいのです。

つまり、Want to(心からやりたいこと)が立ち上がってきます。

だからこそ、こう問いかけてみてください。

「あなたが、社会に提供したい”機能(価値)”は何ですか?」

「機能」はスキルではなく「届けたい価値」

ここでいう「機能」は、特別な肩書きや高度なスキルを指しているわけではありません。
もっと日常的で、人に届けたい価値のことです。

たとえば「教える」という行為ひとつ取っても、提供したい機能は人によって違います。

  • 知識を正確に伝えること自体が目的の人もいます
  • 「相手が自分で調べて解決できる状態をつくる」ことを大事にする人もいます

同じように「支える」という言葉にも幅があります。

  • 励ますことを大切にする人もいます
  • 「相手が本音のゴールに気づき、自然に動ける状態をつくること」を大事にする人もいます

こうした違いは、その人が望んでいる世界の違いでもあります。
だからこそ、「私は何を提供したいのか」を問うことは、そのまま「私はどんな世界をつくりたいのか」を問うことにつながるのです。

提供している場面を、五感で思い描く

では、あなたがその機能を提供している場面を、静かに思い描いてみてください。

ここは頭で考えすぎず、浮かんだものをそのまま受け取るのがコツです。
正解を出そうとせず、感覚を丁寧に拾い上げてください。

その場面で、あなたには何が見えていますか?
相手の表情かもしれませんし、場の空気、光の感じ、部屋の雰囲気かもしれません。

何が聞こえていますか?
言葉だけでなく、声のトーン、間、沈黙、周りの音も含まれます。

あなた自身は何をしていますか?
話しているのか、聞いているのか、手を動かしているのか、ただそこに「いる」だけなのか。

どんな体感がありますか?
胸のあたりが広がる感じ、落ち着き、温かさ、軽さ、あるいは静かな確信のようなものがあるかもしれません。

この五感を伴ったイメージこそが、あなたのWant toの手がかりです。

感じたものを言語化すると、輪郭が出てくる

一度浮かんだ感覚を、もう一度なぞるように確認してみてください。

「私はこういう場をつくりたいんだな」
「この表情を見たいんだな」
「この感覚が好きなんだな」

この”再認識”のプロセスが、あなたの望む世界を言語化してくれます。

そして不思議なことに、提供したい機能がはっきりしてくると、今まで見えなかったことが見えるようになります。
見える世界が変わると、取れる選択肢が増えるからです。

あなたのWant toは、静かな問いかけから育つ

Want toは、派手な決意や劇的な発見から生まれるものではありません。
静かに自分に問いかけ、浮かんだ感覚を丁寧に拾い、言葉にしてみる。
その地道な積み重ねが、やがて「これだ」という確信を育てていきます。

今日から、ほんの少しだけ。
まずは30秒、深呼吸をして、自分に問いかける時間をつくってみてください。

あなたは、今いる世界をどのように変えていきたいですか?
そのために、あなたはどのような「機能(価値)」を提供したいですか?

答えは一つでなくて構いません。最初は曖昧でも構いません。
大切なのは、あなたの内側が「それだ」と反応する方向を、丁寧に選び続けることです。

その小さな習慣が、あなたのWant toを呼び覚まし、人生を静かに、しかし確実に動かしていきます。
あなたには、提供したい価値が、すでにあるのです。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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