ゴールを設定し、そのゴール側をリアルに感じているあなたは、すでに素晴らしい未来に向けて歩み始めています。
単なる「ゴール」を紙に書くだけでなく、「その世界で生きる自分」をぼんやりとでも想像できる時点で、あなたの人生は静かに新たな方向へと動き出しています。
例えば、「世界平和のために海外のクライアントと英語で仕事をする」というゴールを持つ人を考えてみましょう。
英語が完璧でなくても、その人は通勤中に英語の音声を聴いたり、オンライン英会話に参加したりして、「英語で仕事をする自分」に少しずつ近づく行動を始めます。
この「少しずつ近づこうとする流れ」自体が、未来から現在へと時間が流れ始めている証拠と言えるでしょう。
私たちはしばしば、「過去 → 現在 → 未来」という順序で時間を捉えがちです。
「あの時失敗したから、今回も難しいだろう」「これまでこうだったから、自分には無理だ」と、過去を基準に未来を判断してしまうことがよくあります。
しかし、未来を基準に物事を見ると、見え方は全く変わります。
実際には、過去ではなく「今の自分」をどう扱うかが重要です。
なぜなら、過去よりも今の方が、選んだ未来に近い位置にいるからです。
例えば、過去の試験でうまくいかなかった経験があっても、「自分は勉強が苦手だ」と結論づける必要はありません。
その考え方は、過去の出来事を使って未来の可能性を自ら狭めている状態です。
一方で、「あの時苦労したからこそ、今回はもっと効率よく勉強できる」「前回の経験がある分、今の自分はあの頃より進んでいる」と捉え直すこともできます。
同じ出来事でも、「どんな未来を選ぶか」によって、過去の意味は静かに書き換えられていきます。
過去にこだわるとは、言い換えれば「過去の自分の評価で、今の自分を縛る」ということです。
そのとき、私たちは気づかないうちに、今の自分を低く見積もってしまっています。
ここで重要なのが「エフィカシー」という考え方です。
エフィカシーとは、「自分ならできる」「このゴールを達成できる」という自己評価や自己信頼の感覚のことです。
エフィカシーが高いとき、人は「今はやり方がわからなくても、そのうち必ず見つかるだろう」と自然に考えます。
反対に、エフィカシーが低いと、「どうせ自分には無理だ」と感じて、行動する前からブレーキをかけてしまいがちです。
実際には、このエフィカシーの高さが、あなたが「どこまで行けるか」の上限を大きく左右しています。
能力そのものだけでなく、「自分をどう評価しているか」が、実際の行動量やチャレンジの幅を決めているのです。
過去にこだわり、「あの時失敗したから自分はダメだ」と思っていると、エフィカシーは少しずつ下がっていきます。
逆に、「あの時の自分もよくやっていたけれど、今の自分はそこからさらに成長している」と捉えることができれば、エフィカシーは自然と高まっていきます。
ここで重要な点があります。
「今の自分が理想の自分だ」と考えることは、「成長を止めて満足する」という意味ではありません。
理想の自分とは、完璧で欠点のない存在ではなく、「まだ成長途中の自分を含めて、今の自分を大切にできる状態」に近いものです。
例えば、ランニングを始めたばかりの人が、すでにマラソンを完走できるランナーと自分を比べて「自分は全然ダメだ」と思ってしまうと、練習を続けるのが辛くなります。
しかし、「まだ5分しか走れないけれど、その5分を積み重ねている自分は悪くない」と思える人は、少しずつでも続ける力が湧いてきます。
「今の自分が理想の自分だ」と考えることは、できていない部分にばかり目を向けるのではなく、すでに進んでいる一歩一歩をしっかりと認める姿勢です。
この感覚を持つことで、「どうせ自分はダメだ」という心の声は、「まだ途中だけれど、ちゃんと進んでいる」という言葉に変わります。
その結果、エフィカシーもゆっくりと、しかし確実に高まっていきます。
エフィカシーが高まると、これまで「ここが自分の限界だ」と思っていたところを、ふっと超える瞬間が訪れます。
例えば、人前で話すのが苦手だった人が、小さな会議で自分の意見をはっきり伝えられるようになったり、資格の勉強が続かなかった人が「今日は10分だけ」と机に向かう日を積み重ねられるようになったりします。
運動が嫌いだと思っていた人が、少し体を動かした後に「思ったより気分がすっきりする」と感じ始めることもあるでしょう。
最初の変化はとても小さく、周りからは気づかれないかもしれません。
しかし、その小さな変化こそが「これまでの自分の限界」を一歩超えた証です。
一度でも限界を超える感覚を味わうと、「思っていたよりも自分はやれるのかもしれない」という実感が生まれます。
この実感が、次の挑戦を後押ししてくれます。
こうして、あなたの「当たり前の基準」は少しずつ、しかし確実に変わっていきます。
