迷ったときは「ゴール側」から選ぶ——未来を基準にした判断のつくり方

誰しもが、選択に迷う瞬間を経験します。
選択肢が多すぎて決められないときや、続けるかやめるかで心が揺れるとき、または「この選択は自己中心的ではないか」と不安になるとき、そしてやりたいことが多すぎて時間が足りないと感じるときもあります。
そんなときこそ、「未来の自分から今を選ぶ」という視点が役立ちます。
ここで言う未来の自分とは、単なる数字や肩書きではなく、「どんな自分が、どんな一日を過ごしているか」というビジョンです。

迷いは、慣れ親しんだ安心感や習慣に基づく“現在の基準”と、望む生き方に基づく“未来の基準”が衝突することで生まれます。
私たちの脳は、過去の基準を今日も使おうとします。
その結果、周囲の期待や目先の安心に引きずられ、本当に大切なことが後回しになりがちです。
ここで視点を変えてみましょう。
「ゴールを達成した自分なら、今どう選ぶだろう?」と自問するのです。
この問いが、心のねじれを静かに解いてくれます。

判断に迷ったら、まず「それは未来の自分から見て必要か」を確認します。
次に、「すでに達成している自分ならどう行動するか」を想像します。
最後に、「それは“しなければならない(have to)”ではなく“したい(want to)”ことか」を心に問いかけます。
始めると時間を忘れて没頭できる感覚や、価値ある負荷なら喜んで引き受けたくなる感覚があるかどうかが目安です。
この3つが揃えば、ためらう必要はありません。
「アクセルは“惰性”ではなく“未来基準に沿って”踏み込みます。」

選択肢が多すぎて決められないときは、半年後の自分の一日を思い描き、その一日に最も近づく選択をします。
やめるか続けるかで揺れる習慣には、未来の集中力を基準にします。
寝る前のSNSが翌朝の生産性を削ると分かっているなら、就寝90分前に機内モードに切り替え、ベッドにはスマホを持ち込まない。
その代わりに、翌朝の“最初の一手”を紙に一行だけ書き置いて眠ります。
人からの誘いに心が動くときは、関係そのものを断つのではなく、「形式を未来側に合わせて変える」方法を選びます。
毎週の飲み会で学びの時間が削られるなら、月初の一回だけ参加に切り替え、残りの週は短い読書会に誘い方を変える。
関係を保ちながら、未来の価値に寄せる編集です。

抽象度は、物事を見る範囲の広さを指します。
今日のタスクのような具体的な話は抽象度が低く、生き方や価値観、1年先・5年先の方向性は抽象度が高い領域です。
判断は、「高い抽象度から低い抽象度へ」下ろしていくと一貫します。
まず“どんな一日を生きる人でありたいか”というビジョンを描き、そこから今日の一手へと落とし込む。
「ゴールが先、方法は後」。
この順番が、ぶれない判断を生みます。

あなたはすでにコーチングを学び、実践し、「未来から現在を選ぶ力」を育んでいます。
迷ったときには、次の3つのポイントを思い出してください。
ゴールの視点から見てそれが必要か、
ゴールを達成した自分ならどう行動するか、
そしてそれは「やりたいこと(want to)」かどうか。
心の中で「はい」と答えられるなら、迷わず進んでください。
今日の一歩が、明日の「当たり前」を静かに変えていきます。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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