仕事だけに縛られない生き方のヒント

「あなたのゴールは?」と尋ねられ、真っ先に仕事のゴールが浮かんだなら、少し立ち止まってみましょう。
仕事のゴールは重要で、生活の基盤を支え、成長を感じさせてくれます。
しかし、そこで思考が止まると、日々が「仕事をこなすための毎日」になり、「自分はどう生きたいのか」という視点が見えにくくなります。

ここで言う「どう生きるか」は、「どんな仕事で生計を立てるか」だけではありません。
どんな体調で、どんな場所で、誰と関わり、何に時間とエネルギーを注ぎながら生きたいのかを含む、より大きな問いです。

心から楽しめる活動は長続きし、成果にもつながりやすいものです。
「やらねばならない」だけで積み上げたゴールは、短期的には機能しても、やがて消耗します。
止められてもやりたくなる「やりたい」という衝動が、あなたの進むべき道を示します。

私たちの脳は「大切だ」と決めたものを優先して集める性質があります。
価値基準を更新すれば、自然と見える情報も変わります。
だからこそ、まずは何を大切にしたいのかを静かに選び直す時間が必要です。

抽象度の高いゴールは、落ち着ける場所から生まれます。
特別な準備は不要です。
家のテーブルでも、近所のカフェでも、公園のベンチでも構いません。
呼吸が深くなる場所を一つ決め、毎日同じ時間帯に短い“ひとり時間”を持ちましょう。
最初は一日10分で十分です。

例えば朝、湯気の立つカップを前に座ったら、まず深呼吸をして、今日の体調や気分を感じてみましょう。
次に今一番気になっていることを考え、最後に「今日の小さな一歩」を決めます。

仕事の数値目標を、その背景にある“生き方の意図”に翻訳してみましょう。
例えば「売上を上げる」は、「関わる人の選択肢を増やし、迷いを減らす時間を毎日つくる」と置き換えられます。
「昇進する」は、「チームが安心して挑戦できる場を整えるために、自分の強みを使う」と言い換えられるかもしれません。

文の型はシンプルです。
私は〈誰〉に、〈どんな場面〉で、〈どんな変化〉を届けたいのか。
この型に沿って言語化すると、目の前の行動が自然に選びやすくなります。

人生は多面的です。
すべてを同時に完璧にしなくて構いません。
ここで大切なのは、最初から全部に手を出さないことです。
「今はこれ」と絞ると、続けやすくなります。

ゴールは、試してみて初めて実感が湧きます。
考えすぎて動けなくなったら、呼吸・姿勢・睡眠の三点に立ち返りましょう。
十分に眠れ、背筋が伸び、呼吸が深いときに設定したゴールほど、あなたらしさが反映されています。
逆に、疲労と焦りの中で決めたゴールには、他人の都合が紛れ込みやすいもの。
整えてから決める——それだけで選択の質は上がります。

仕事にゴールを持つことは素晴らしいことです。
しかし、それに加えて、健康、関係性、学び、遊び、貢献といった要素を少しずつ取り入れることで、ゴールは「追いかけるもの」から「自然と向かう方向」へと変わります。
リラックスできる空間を作り、毎日少しの“ひとり時間”を設けて、自分の内なる声に耳を傾けてください。
そこに見えてくるのが、あなた自身の本当のゴールです。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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