ゴール達成の鍵は「心の独り言」──セルフトークで無意識を整える

「無意識を活用してゴールを達成する」ための基盤は、「自分自身をどのように認識しているか(セルフイメージ)」にあります。
セルフイメージは、日々の選択や行動の限界を静かに決定します。
そして、このセルフイメージを最も手軽かつ確実に変える方法が「セルフトーク(心の中の独り言)」を整えることです。
私たちは一日中、自分自身に語りかけています。
そのため、その質が向上すれば、行動の質も結果の質も向上します。

セルフトークは思考の背景音のように流れ続け、注意の向きや感情のトーンを決定します。
「うまくいかないかも」とつぶやけば体は守りに入り、「次はこうすればいける」と言い換えれば視線は自然と次の一手へ向かいます。
鍵は、「無意識のセルフトークをいったん意識に上げる」こと。
呼吸が「意識すれば整えられる」のと同じで、言葉も意識に灯りを当てた瞬間からコントロールが効き始めます。

最初の一歩は驚くほどシンプルです。”3分だけ”、今この瞬間に頭の中で流れている言葉をそのままメモします。
場所はどこでも構いません。
スマホのメモでも紙でもOKです。
合わせて「いつ・どこで(朝の支度中、通勤中、会議前)」を書いておくと、ネガティブに傾きやすい場面の癖が見えてきます。
書き出した言葉のうち頻度の高いものを3つ選び、各フレーズが自分の気分を沈めるのか整えるのかを直感で点検します。
目的は精密な評価ではなく、「気づき」をつくることです。

書き換えは、単なる励ましでは長続きしません。
「事実を認めたうえで、次の一歩を添える」のが有効です。
たとえば「忙しい」と浮かんだら「いまは詰まっている。最優先を一つ決めて10分だけ手をつける」と続けます。
「失敗した」と思った瞬間に「データが増えた。次は仮説Bで再テスト」と言い換えます。
「無理だ」は「まだ練習が足りないだけ。今日は5分やる」に置き換えます。
どれも現状を否定せず受け止め、即座にできる具体策をペアにしているため、言葉が行動へ接続されます。

セルフイメージを強くする近道は、「達成後の自分なら何と言うか」を先に用意しておくことです。
商談やプレゼンなら「相手の成功条件から始める。最初の30秒で望む未来を描く」。
家庭や子育てでは「完璧より安心。まず一緒に3分笑う時間をつくる」。
このように場面別の短い合言葉をあらかじめ決めておくと、迷いが起きた瞬間に言葉が出てきます。
さらに”If–Then(もし〜なら、次は〜する)”の形にしておくと自動化が進みます。
たとえば「もしミスに気づいたら、原因を一つ書き、10分だけ手直しする」といった具合です。

実感は継続の燃料です。
1週間だけでよいので、夜に一行の振り返りをします。
「今日いちばん役立ったセルフトークは何か」「その結果、何が一ミリ良くなったか」。
この二つの問いを繰り返すだけで、点の努力が線になり、小さな前進が積み上がっているのが見えてきます。

最も重要なポイントは、「自ら徹底的にコントロールすることを決意する」ことです。
この決意をした瞬間から、使う言葉が変わり、目に入る情報が変わり、自己イメージが静かに変化していきます。
そして、自分自身に問いかけてみてください。
ゴールを達成したあなたなら、今この瞬間、どのようなセルフトークを選ぶでしょうか。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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