ゴールは変えていい──「更新する勇気」が未来をひらく

「一度決めたゴールは、最後までやり抜かなきゃダメだよね」

もしあなたがそう感じているなら、少しだけ肩の力を抜いて、この先を読んでみてください。

結論から言うと、ゴールは変えていいのです。
むしろ、変えたほうが前に進みやすい場面がたくさんあります。

大事なのは、ゴールを「下げる」ことではありません。
成長して視野が広がったからこそ、今の自分にふさわしいゴールへとアップデートしていく。
これはブレでも逃げでもなく、自然な進化です。


目次

ゴールは「固定するもの」ではなく「育てていくもの」

ゴールを決めた瞬間から、あなたの意識はその方向へ情報を集め始めます。

コーチングの世界では、これを「スコトーマ(心理的盲点)が外れる」と表現します。
人は、自分にとって必要だと判断した情報だけを優先して認識するようにできています。

たとえば、「次は白のミニバンにしよう」と思った途端、街中で白いミニバンが急に目につくようになった経験はありませんか。
車が増えたわけではなく、あなたの「見るフィルター」が変わっただけです。

ゴールも同じです。
設定した瞬間から見える世界が変わり始めます。
そして、見える世界が変われば、ゴール自体が変わるのも当然のことです。

ゴールとは、一度決めたら固定するものではありません。
状況や成長に合わせて、育てていくものなのです。


そのゴール、本当に「自分のゴール」ですか?

ここで一度、自分に問いかけてみてください。

「そのゴールは、本当に自分の心から望むものだろうか」
「それは、今の現状の外側にあるだろうか」

特に前者は重要です。
ゴールだと思っていたものが、よくよく見直すと「誰かに植え付けられたゴール」だった、ということは珍しくありません。

たとえば、「家を買うのが当たり前」という社会の空気。
「この年齢なら管理職を目指すべき」という暗黙の常識。
「安定した道を選ぶのが正解」という周囲からの善意の期待。

これらが悪いわけではありません。
しかし、気づかないまま抱え込んでいると、いつの間にか「want to(やりたい)」が「have to(やらねば)」にすり替わり、心が重くなっていきます。

もし今、ゴールに向かっているはずなのに、どこかエネルギーが湧いてこない。
そんな感覚があるなら、それは他者から仕掛けられたゴールを追いかけているサインかもしれません。


疑わしいと感じたら、迷わず更新でいい

「これ、本当に自分のゴールかな?」

そう思った瞬間、それはあなたの視野が広がり始めたサインです。
疑わしいと感じた時点で、すでにあなたの中の何かが変わっています。

スコトーマが外れてくると、これまで見えていなかった選択肢が見えるようになります。
「この道しかない」と思い込んでいた人生の道の外側に、「他にも道がある」と感じられるようになる。
これは後退ではなく、前進です。

だからこそ、迷ったら更新でいい。
ゴールを更新できる人ほど、軽やかに前へ進めます。


ゴールを変えても、エフィカシーは下げなくていい

ゴールを変えるとき、多くの人が不安になります。

「今まで頑張ってきたことが無駄になる気がする」
「続かない自分を証明してしまう気がする」
「また途中でやめた、と思われるかもしれない」

でも、ゴールの更新は諦めではありません。
むしろ、より本音に近づいた選択です。

ここで大切なのが、エフィカシー(自分のゴール達成能力に対する自己評価)です。
ゴールを変えるときに、エフィカシーまで一緒に下げる必要はまったくありません。

こう言い換えてみてください。

「私は、今の自分にとって最も自然で、最も力が出る方向を選び直せる人だ」

このセルフトークが変わると、行動の質も変わります。
ゴールの更新は、自分を信じ直すチャンスでもあるのです。


「want to」のゴールでも、近づくとエネルギーが弱まることがある

実は、心から望んだ「want to」のゴールでも、近づくほどにエネルギーが落ちることがあります。

たとえば、転職を目指して準備していた人が、内定が現実味を帯びた瞬間に急に不安が強くなる。
独立を目指していたのに、開業が近づくにつれて迷いが増していく。

これは意志が弱いのではありません。
ゴールが現実に近づいたことで、緊張や迷いが増えるという、人として自然な反応です。

だからこそ、コツがあります。

ゴールは「達成したら次へ」ではなく、「近づいたら早めに再設定する」。
到着を待たずに、次の地平線を見据える。
そうすると、エネルギーが再び未来に向かって流れ始めます。


あなたのゴールは、あなただけのもの

あなたが目指すゴールは、誰かと同じである必要はありません。

人が違えば、価値観も状況も、心が動くポイントも違います。
だから、ゴールへの道のりも、それぞれ違っていいのです。

同じ「豊かな人生」を目指していても、ある人は起業という形を選び、ある人は転職を選び、ある人は家族との時間を増やすことを選ぶかもしれません。
誰かのゴールと比べるほど苦しくなり、自分の道が見えにくくなります。

自分のゴールを、自分で選び直せること。
それこそが、人生を前へ動かす力になります。


ゴールを更新する勇気を持とう

ゴールは一度決めたら終わりではありません。
あなたが成長し、世界の見え方が変われば、ゴールも一緒に進化していきます。

「このゴールでいいのかな」と感じたとき。
それは、新しい可能性に気づき始めた証拠です。

その感覚を大切にしてください。
そして、自分に許可を出してあげてください。

「ゴールを更新していい」と。

その一歩が、あなたの未来をより自分らしい方向へとひらいてくれます。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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