身近なことから始める幸せの連鎖〜袖振り合うも多生の縁〜

私たちの日常生活では、物事の捉え方における「抽象度」が大きな役割を果たしています。
例えば、最も身近な「私」という存在から始まり、次第に「家族」、「地域の人々」、「市区町村の住民」へと視野が広がっていきます。
さらにその先には、「都道府県の人々」、「日本の人々」、「アジアの人々」、最終的には「世界の人々」と、段階的に対象が広がっていくのです。

具体的な対象からより大きな集団へと視点を広げると、イメージしにくくなることがあります。
例えば、自分自身の幸せを考えるのは比較的簡単ですが、「世界全体の幸せ」を具体的に想像するとなると、そのスケールの大きさに圧倒され、臨場感が薄れてしまうことがあります。
これは、抽象度が上がるにつれて具体的な要素が薄れてしまうためです。

具体例を挙げると、日常生活で感じる小さな喜び—例えば、家族と楽しむ夕食や地域のお祭りでの笑顔—は非常に具体的でイメージしやすいものです。
しかし、その喜びを「日本全体」や「世界全体」に拡大して考えると、細部が見えにくくなり、どのように実現できるのかが不明瞭になってしまいます。
こうした現象は、多くの人が日常で経験することです。

このような抽象度の高い考え方は、一見すると広い視野を持つために必要な思考法に見えますが、いきなり高いレベルで考えると、臨場感が失われる危険性もあります。
だからこそ、まずは「自分の幸せだけでなく、家族全員の幸せ」を意識することから始めるのが効果的です。
家族という単位は、日々の生活の中で具体的な行動や感情として実感しやすい範囲です。
例えば、家族みんなでの週末のお出かけや、共に過ごす時間が、実際の行動として幸せを育む要素になります。

誰にでも「ねばならない」義務や厳しいルールはありません。
自分自身のペースで、まずは身近な幸せの実現に取り組むことが、次第に広い視野を育むための第一歩となります。
例えば、日常の中で「小さな成功体験」や「家族との暖かい時間」を大切にすることで、次第に自分の内面や周囲の環境に対する理解が深まり、やがてはより大きな社会的な視野へとつながっていくのです。

抽象度を上げるというプロセスは、一度に全体を把握しようとするのではなく、段階を踏むことが大切です。
最初は「私」から始まり、家族、地域、そして社会全体へと意識を広げること。
実際の体験や具体的な例を通じて、自分自身の幸せがどのように広がり、他者の幸せへと影響を与えるのかを実感することが、豊かな人生への鍵となります。

自分のリズムで少しずつ前進していきましょう。
そうすることで、最初は漠然としていた広大な世界が、やがて目の前に広がる「森」として明確に見えてくるでしょう。
身近な小さな幸せが、やがて大きな社会へと広がっていく過程を楽しむことが、本当の「豊かさ」をもたらします。

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

目次