未来を選ぶ力:行動が変わる時間術

時間は私たちの前方から背後へと流れ、未来から現在、そして過去へと進んでいきます。
だからこそ、過去に固執する必要はありません。
重要なのは、これから訪れる未来に対してどのような選択をするかです。
選択の自由は常に私たちの手にあります。
どうせ選ぶなら、自分が本当に望む未来を選びましょう。

過去はどんどん遠ざかっていきます。
昨日の失敗や昔の評価に囚われていると、自然と後ろ向きになり、行動も小さくまとまりがちです。
例えば、プレゼンでうまく話せなかった記憶に囚われると、「また失敗するかもしれない」という不安が強まります。
その結果、次の機会に挑戦する前から自らブレーキをかけてしまいます。
しかし、「次の発表では、最初の30秒を落ち着いて話す」という未来の選択に焦点を当てれば、準備や練習といった具体的な行動に自然と手が伸びます。
過去を参考にすることはあっても、進むべき方向は常に未来です。

時間の流れを実感するためのシンプルなワークを紹介します。
まず、「現在が時間とともに過去になっていく」様子を30秒ほど静かに想像してみてください。
今この瞬間の呼吸、指先の温度、視線の先にあるものが穏やかに“過去”へと流れていく感覚です。
次に、「未来が時間とともに現在になり、やがて過去になる」イメージに視点を切り替えます。
明日の朝の自分がこちらへ歩いてきて、目の前で“現在”になり、そして通り過ぎて“過去”になる。
この順番を鮮明に感じられるほど、未来の臨場感は高まります。
臨場感が高い未来ほど、今日の選択は具体的で軽やかになります。

人は意識して選ばないと、慣れ親しんだ“過去の映像”の延長に流されがちです。
例えば、毎晩なんとなく動画を見て夜更かししてしまう人は、「気づいたら今日も同じパターンだった」という“既視感のある未来”を無意識に選んでいます。
ここで必要なのは、「流される」のではなく「選ぶ」ことです。
「23時に画面を閉じ、翌朝6時に散歩する」という小さな未来の選択を先に決めると、行動の自動運転が切り替わります。
思考や感情がまだ追いつかなくても、選択が先で、認識と行動が後から整っていきます。

“望む未来”は、今の延長線上にある「ちょっと良い未来」だけではありません。
基準そのものが変わる、いわば“現状の外側”にある未来を選んでみましょう。
例えば、英語学習で「単語帳を毎日10個」よりも、「3か月後に海外の同僚と雑談で笑い合っている自分」を先に選びます。
すると、単語学習は“手段”として位置づけが変わり、オンライン英会話や日記の音読など、臨場感の高い練習が自然と増えます。
ゴールを達成したあなたの行動が具体的な場面として見えるほど、日々の行動はシンプルになります。

いきなり大きなゴールを設定する必要はありません。
まずは1分間、目を閉じて「明日の自分がこちらにやってきて、今の自分と入れ替わる」場面を想像してみましょう。
入れ替わった瞬間、あなたは何を手にするでしょうか。
水を一口飲む、机を片付ける、カレンダーを開く──どれでも構いません。
その“最初の一歩”を、実際に今やってみましょう。
これだけで、未来に対するリアリティが確実に高まります。

ゴール設定とは、未来に対する“選択の宣言”です。
「何をするか」を先に決めるのではなく、「どんな自分でありたいか」を先に選ぶのです。
未来が“今”に到達する瞬間のリアリティを高めるほど、日々の行動は整い、自然と望む方向へ進んでいきます。
過去から学び、現在を楽しみ、未来を選ぶ。
時間の流れに沿って生きることで、あなたは望む未来に最短で近づいていきます。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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