セルフトークで高めるエフィカシー

ゴール達成のスピードは、単に才能や努力だけで決まるものではありません。
自己評価、つまり自分自身をどう見ているかが、日々の選択や行動に大きな影響を与えます。

エフィカシーとは、「このゴールを達成できる」という自信や実行力の感覚を指します。
例えば、仕事・お金・健康などどんなゴールでも達成できるという見通しがこれに当たります。
一方、エスティームは「自分のゴールの凄さを自ら誇る」という自己受容の感覚です。
選んだゴールの意義を誇りに思い、挑戦する自分を尊重する基盤が含まれます。
エスティームが安定すると、エフィカシーがより効果的に働きます。
まずは「自分には価値がある」という確信を持ち、その上で「自分はできる」という見通しを日々の言葉で育てることが、最も効率的な方法です。

私たちは言葉の世界で生きています。
頭の中の独り言、セルフトークは、思考と行動の基盤のようなものです。
これが「無理だ」「また失敗した」で満たされていると、無意識のうちにブレーキがかかります。
まずは心の中の言葉に気づくことから始めましょう。
否定的な言葉が出たら、「これは自分らしくない」と一度切り離し、「次はこうしよう」と具体的な行動に置き換えます。
会議で発言できなかったなら「自分らしくない。次回は冒頭五分で一つ質問する」。
朝のランニングをサボりそうなら「自分らしくない。今日は家で体幹を十分」。
成功したときには、「今のは自分らしい」と小さく声に出してみてください。
成功の感触が言葉で固定化され、エフィカシーが高まります。

結果と自分の価値を混同しないことが重要です。
たとえ成果が出なくても、準備をやり切ったことや挑戦を選んだことには価値があります。
比較する相手を他人ではなく過去の自分にすると、小さな進歩が見つけやすくなります。
「昨日より一ページ多く読めた」「先月より一回多く発言した」。
その一歩を大切に受け取ることで、挑戦への安心感が戻り、結果としてエフィカシーも育ちます。

自分の内面ばかりに集中すると視野が狭くなります。
周囲の人のエフィカシーを高めるつもりで言葉をかけてみましょう。
コツは、まず事実を認め、良かった点を具体的に示し、次の一手を一緒に考えることです。
例えば「締切どおり提出できていたね。冒頭の結論がとても明確だった。次は一枚目を要点スライドにすると、さらに伝わると思う」。
相手が前向きになる言葉を選ぶと、自分の言語空間にも前向きな文脈が増え、自然と自分のエフィカシーも向上します。

エフィカシーの高い人々と時間や空間を共有すると、「できる」という前提が自然と身につきます。
月に一度でも、進捗よりも学びを重視する勉強会や、成長を歓迎するコミュニティ、挑戦の過程を率直に話せる対話の場を予定に組み込んでみましょう。
オンラインでも十分に効果があります。
最初は少し無理をしているように感じても、何度か参加するうちに自分の基準が自然と高まっていることに気づくでしょう。

「ポジティブに考えることが現実逃避」と捉えられることもありますが、ここでのポジティブとは“次の具体的な行動を生む言葉”を指します。
課題から目を逸らすのではなく、動かせる部分に焦点を戻す作業です。
また、失敗はスキルや戦略の問題であり、あなたの価値とは無関係です。
この区別が上手くなるほど、再挑戦までの時間は短縮されます。

エスティームは「自分の価値」を支え、エフィカシーは「できる見込み」を高めます。
心の中の言葉を「自分らしくない」から「次はこうしよう」に丁寧に組み替えるだけで、ゴールに向かう推進力は確実に増します。
さらに、他者を励ます言葉や、高い基準の場の雰囲気を取り入れることが、あなたの前進を後押しします。
エフィカシーは無限に高められます。
今日の一言から始めてみましょう。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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