ほめ言葉を、素直に受け取ってみる

「すごいね」と言われて、なぜか「いやいや」と返してしまう。そんなこと、ない?

「テストの点を友達に『すごいね』とほめられた瞬間、反射的に『いや、たまたまだよ』と返している」
「先生に『よく頑張ったね』と言われても、『自分なんてまだまだです』と笑ってしまう」
「『絵、うまいね』と言われると、『そんなことないよ』と手を振ってしまう」

その言葉は、悪気なく、ほとんど反射のように口から出ていく。
謙虚にしているつもりで、なぜか心は少しだけ寂しい。

そんなこと、ないかな。

目次

反射的に出てしまう、自分を打ち消す言葉

「いや、たまたまだよ」「まだまだです」「そんなことないよ」

わたしたちは、こういう言葉が自然に身についていく。
出すぎないこと、ひかえめでいることは、ひとつの美徳でもあるからだ。

ただ、よく見てみると、これらの言葉は、相手のほめ言葉をそっと押し返しているものでもある。

相手は「きみのこと、すごいと思う」と言っている。
それなのに、こっちは「いや、自分なんて大したことないよ」と打ち消している。

その小さな繰り返しが、ちょっとずつ自分の中の「自分なんて」を強くしてしまうんだ。

謙遜のつもりが、いつのまにか自分を下げる癖になっていることがある。

「自分なんて」が、こっそり自分を小さくしている

謙虚でいることと、自分を下げることは、似ているようで違う。

謙虚とは、相手を大事にして、まだ学ぼうとする姿勢を忘れないこと。
自分を下げるとは、自分の価値そのものを「ない」ことにしてしまうこと。

「自分なんて」「まだまだだよ」「全然できてない」

口にするたびに、心はその言葉を静かに受け取る。
「そっか、自分はまだ価値がないんだな」と。

そして、その積み重ねが、次の行動を選ぶときの基準になっていく。

新しい役割をまかされても「自分には早い」と引いてしまう。
誰かに頼られても「役に立てないかも」と引き受けられない。
ほめられても「お世辞だろう」と素直に受け取れない。

謙虚さの裏で、こっそり自分の可能性を小さく折りたたんでしまっているんだ。

素直に受け取れた日の、心のあたたかさ

ちょっと試してみてほしい。

次に誰かに「すごいね」とほめられたら、
「いやいや」のかわりに、「ありがとう、うれしい」と返してみる。

最初は、ちょっと照れくさいかもしれない。
「こんな自分が受け取っていいのかな」と、胸の奥でためらいが生まれるかもしれない。

それでも、そっと言ってみる。

不思議なものだ。
素直に受け取れた日は、なぜか帰り道の足取りが少し軽くなる。

それは、相手のほめ言葉をちゃんと受け取ったから。
そして、自分の中に「ほめてもらっていい価値がある」と、小さく認めてあげたから。

たったひと言で、心はそっとあたたかくなるんだ。

受け取れる自分が、人のことも受け取れる自分になる

おもしろいのは、ここからだ。

自分の価値を受け取れるようになると、不思議と、人の価値も素直に見られるようになる。

友達の頑張りを、ねたまずに「すごいな」と思える。
誰かの成功を、自分と比べずに「よかったね」と喜べる。
後輩や下級生の小さな成長に、ちゃんと気づいてあげられる。

自分の中に「自分なんて」が満ちていると、人にも厳しくなったり、比べて疲れたりしがちだ。

でも、自分にやさしくほめ言葉を受け取れるようになると、
不思議と他の人のことも、まっすぐほめられるようになっていく。

受け取れる自分は、渡せる自分でもあるんだ。

ほめ言葉を、そっと受け止めるところから

大きく自分を変える必要はない。
明日からの会話の中で、ほんの少しだけ、受け答えを変えてみる。

「いや、自分なんて」を、「ありがとう、うれしい」に。
「たまたまだよ」を、「そう言ってもらえてうれしい」に。
「そんなことないよ」を、「ありがとう、そう言ってもらえて元気が出る」に。

そのひと言ずつが、きみの中の自分への見方を、ゆっくり変えていく。


きょうから、ほんの少しだけ。
自分に聞いてみてほしい。

「最近もらったほめ言葉を、ちゃんと受け取れていたかな」
「もし素直に受け取れたら、どんな気持ちになるだろう」

答えはあいまいでかまわない。

ほめ言葉を受け取ることは、えらそうでも、あまえでもない。
自分にも、相手にも、まっすぐでいるための、いちばんやさしい方法なんだから。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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