「やりたいからやる」というシンプルで力強い基準で日々の選択を行うと、自然とゴールに向かって進むことができます。
まずは、「できる/できない」ではなく「やりたい/やりたくない」を基準にし、自分の行動を自分でコントロールすることを決意することが出発点です。
その上で重要なのが、“抽象度”という視点の高さを自在に調整する能力です。
抽象度を上げるとは、具体的な手段や出来事から一歩引いて、「自分は本当に何を望んでいるのか」「それを行う目的は何か」といった根本的な問いに立ち返ることを意味します。
例えば、「英語を教える副業をしたい」と考えたとき、抽象度を上げてみると、「自分の知識や経験を通じて他者の成長を支援したい」「学ぶ楽しさを伝えたい」といった、より広い目的が見えてくるでしょう。
目的が広がれば、英語に限らず、他の言語やテーマでも同じ願いを実現できることに気づくかもしれません。
しかし、どんなに高い視点で素晴らしいビジョンを描いても、実際に行動しなければ結果は生まれません。
そこで必要なのが、適切なタイミングで抽象度を下げ、具体的な行動に落とし込むことです。
例えば、前述の願いを実行に移すには、「毎週一度、オンラインで無料体験レッスンを開く」「SNSで毎日学習のコツを発信する」「月末までに教材の試作品を作る」といった具体的な計画が必要です。
こうして行動にまで落とし込むことで、初めて“やる/やらない”が明確になり、スケジュールに組み込むことができます。
抽象度を下げることは、実際に動くためのエネルギーを生み出す作業です。
重要なのは、この上げ下げを偏らせず、バランスよく行き来する習慣を持つことです。
視点を高く保ちすぎると、アイデアが理想のまま浮遊し、気持ちは高まるのに行動が伴いません。
逆に細部にばかり集中すると、目先の作業に追われて「そもそも何のためにやっているのか」を見失いがちです。
月初に「なぜそれをやるのか」を丁寧に振り返って抽象度を上げ、週の始まりには「今週何をするのか」を具体化して抽象度を下げる、といったリズムを決めておくと、方向性と実行力の両方を保ちやすくなります。
さらに、行動の基盤となる「知識」を迅速に吸収するためには、対象の「重要性」を意識的に高めることが効果的です。
人は、自分が重要だと感じたものだけを認識します。
心理学では、脳は重要と判断した情報を選別するフィルター(網様体賦活系=RAS)が働いているとされています。
ゴールに関連するテーマを「自分にとって最も重要」と位置づけると、普段は見過ごしていた広告や会話の断片、本の一節などが急に目に留まるようになります。
例えば、英語学習を考えた場合、英会話スクールのチラシやオンライン講座のキャンペーンが目に入る経験をしたことがあるでしょう。
健康を意識し始めた瞬間から、食品の原材料表示が自然と目に入るのも同じ原理です。
重要性を高めるとは、自分の認識の焦点を自ら決めることに他なりません。
この原理を日常に取り入れるために、定期的に自分に問いかける習慣を持ってみてください。
例えば、一日の終わりや週の始まりに、「今していることは何のためか」と問い直すことで視点を広げ、「その目的のために明日(または今週)具体的に何をするか」と考えることで視点を絞ります。
最終的に、望むゴールに向かうための基本は非常にシンプルです。
自分が舵を取ると決めること。
視点を広げて本質を捉え、必要に応じて具体的な行動に落とし込むこと。
そして、対象の重要性を高め、必要な情報が自然と集まる状態にすること。
この三つを丁寧に繰り返すことで、ゴールは現実味を増し、行動は軽やかになります。
今日の小さな一歩も、明日の視点の調整も、すべてが「Want to 100%」につながっているのです。