勉強も部活も、全力で走っている。
予定も課題もこなせている。それなのに、ふとした瞬間に、こんな感覚に出会うことはないだろうか。
「学校のことは全力でできるのに、休日になると何をしたいのか分からない」
「『最近どう?』と聞かれて、勉強と部活の話しか出てこない」
「このまま走り続けて、どこに着くんだろう──そんな疑問が浮かぶ」
ゴールの設定が間違っていたわけじゃない。
実は、ゴールが人生の一部分だけに偏っていることが、充実感を妨げているのかもしれないんだ。
全力で走っていたのは、人生の一部だけだった
ゴール設定の大切さを理解して実践している人でも、陥りやすい落とし穴がある。
ゴールを一つの分野にだけ設定してしまうことだ。
いちばん多いのは、勉強や部活にゴールが集中するケース。
「志望校に合格したい」「大会で結果を出したい」。こうしたゴールは、もちろん大切だ。
でも、それだけを追いかけていると、やがて不思議なことが起きる。
勉強や部活の手応えは積み上がっているのに、週末に何もする気が起きない。
「最近どう?」と聞かれて、学校の報告しか出てこない自分に気づく。
一つの領域だけが大きく育ち、他の領域が置き去りになっているサインだ。
気づけば、趣味も友達も後回しになっていた
ゴールが一つの分野に集中すると、マインドの仕組みもその分野にだけ集中する。
脳の情報の門番(RAS)は勉強や部活に関する情報ばかりを拾って、健康や友達、趣味の情報は素通りしてしまう。
日々の独り言も学校中心になり、他の領域での自分像は更新されないまま放置される。
その結果、ゴールのない領域は、無意識のうちに停滞する。
健康にゴールがなければ、「まあ大丈夫だろう」と現状維持になる。
友達関係にゴールがなければ、「忙しいから仕方ない」と後回しになる。
趣味にゴールがなければ、「そんな時間はない」と切り捨てられる。
意識して光を当てない領域は、ゆっくりと色を失っていく。
車輪が一つだけ大きいと、うまく転がらない
ここで役に立つのが、バランスホイールという考え方だ。
人生を、勉強・部活・健康・家族・友達・趣味・心の豊かさといった、いくつかの領域に分けて捉える。
そして、それぞれを車輪のスポーク(放射状の棒)に見立てる。
一つのスポークだけが極端に長く、他が短いと、車輪はいびつな形になる。
いびつな車輪は、回そうとしてもガタついて、うまく前に進まない。
勉強や部活だけが突出していて、他の領域が小さいまま。
これは、まさにいびつな車輪の状態だ。
どんなに頑張っても、車輪全体としては、なめらかに転がっていかないんだ。
勉強以外に、小さなゴールを一つ置いてみた
じゃあ、どうすればいいのか。
答えはシンプルで、勉強や部活以外の領域にも、心からやりたい(want to)ゴールを置いてみることだ。
すべての領域に、完璧なゴールを置く必要はない。
まずは、いちばん小さくなっている領域に、一つだけ。
「休日に、心から楽しめる時間をつくる」
「友達と、勉強や部活以外の話ができる関係を育てる」
「自分の体を、こんなふうに整えていきたい」。
want toのゴールが置かれた領域から、門番は関連する情報を拾い始めて、エネルギーと充実感が戻ってくる。
休日に何をしたいか分からない、勉強と部活の話しか出てこない。
その背景には、ゴールが一つの領域に偏っていたことがあった。
勉強だけが、あなたの人生じゃない。
複数の領域に、少しずつwant toの光を当てていく。
人生の車輪がまあるく整ったとき、毎日は、これまでより軽やかに転がりはじめる。
