「やりたいことは?」と聞かれて、言葉に詰まる日

評価面談で、上司にこう聞かれます。
「今後、どうしていきたい?」

答えなければいけないのに、言葉が出てこない。
とりあえず「いまの業務の精度を上げたいです」と答えて、その場をしのぐ。
けれど本当は何がしたいのか、自分でもよく分かっていない。

想像力が乏しいわけではありません。
「本当にやりたいこと」が見えにくくなるのには、ちゃんと理由があるのです。

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「やるべきこと」ならいくらでも挙げられるのに

不思議なもので、「やりたいこと」を聞かれると固まるのに、「やるべきこと」ならいくらでも並べられます。
資格を取ったほうがいい、英語もやっておくべき、そろそろマネジメントの経験も──。

夢がないわけではありません。
本音のゴールが、have to(やらなければならない)の層に埋もれているだけです。

私たちは子どもの頃から、数えきれないほどの「こうあるべき」を受け取ってきました。
安定した仕事に就くべき。もっと現実的に考えるべき。
くり返し届いた言葉は、いつの間にか自分の独り言に溶け込み、「やりたいことは?」と聞かれても、have toの言葉ばかりが出てくるようになります。

「〜すべき」が、本音の声を覆っていた

では、どんなゴールが「本当のゴール」なのでしょうか。条件は二つあります。

ひとつは、want to(心からやりたい)であること
「やらないと評価が下がる」といったhave toのゴールは、達成しても充実感が続きません。

もうひとつは、現状の外にあること
「いまの自分でも達成できそう」なゴールでは、脳は大きく動きません。

「現状の外」とは、少し背伸びすれば届く場所のことではありません。
「いまの自分が少し成長した姿」を描いているかぎり、自分の範囲は少しずつしか広がらないからです。

ここで効いてくるのが、ゴールの抽象度です。
「いまより少し年収を上げたい」「あの資格を取りたい」といった、手段や数字に落とし込んだゴールは、わかりやすいぶん脳を狭いところに閉じ込めます。達成の道が一本しかないからです。

そうではなく、「どんな自分でありたいか」「何を大切に生きていたいか」という、高い場所に旗を立ててみる。
抽象度の高いゴールは手段が一つに限られないので、脳は「いまのやり方」に縛られず、道を自由に探しはじめます。

いまの自分には少し信じがたいくらい遠く、それでいて心が動く。
それが、脳を大きく動かすゴールです。

「もし絶対に失敗しないなら?」と問い直してみた

では、どうやって見つければいいのか。
最初に試してほしいのは、制約を外した問いかけです。

  • もしお金が無限にあったら、何をしているだろう
  • もし絶対に失敗しないと分かっていたら、何に挑戦するだろう
  • 10年後、最高に充実した一日はどんな一日だろう

浮かんできた答えを、そのまま大切にしてください。
「現実的じゃない」という声が湧いてきても、いったん横に置いておきます。

誰にも頼まれずに続けていたことを思い出す

それでも答えが出ないなら、これまで夢中になったことを振り返るのも有効です。
誰にも頼まれていないのに、自然と時間を使ってしまっていたこと。そこに本音のゴールの種があります。

「もう少し情報を集めてから」と思うかもしれません。
けれど、動画配信サービスの一覧を延々とスクロールして、結局何も観ないまま閉じる夜のように、選択肢を増やすほど決まらなくなることもあります。
足りないのは情報ではなく、「自分は何を観たいのか」のほうです。


ゴールを考えようとして、頭が空白になる。
その原因は、長年のhave toが、本音の声を覆い隠していたことにありました。

大切なのは、最初から完璧なゴールを描こうとしないこと。
「まだ曖昧だけれど、こんな未来に惹かれる」という仮のゴールで構いません。

今日の帰り道で、さきほどの問いをひとつだけ、自分に投げてみませんか。
そこから出てきた言葉が、あなたの最初のゴールになります。

次回は、そのゴールに向かうとき、周りの人間関係がどう影響するかについてお話しします。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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