「そろそろ自分のゴールを考えてみよう」とノートを開く。
ペンを構える。そして、こんな状態に出くわします。
「やりたいことを書こうとすると、頭が空白になる」
「ゴールを書き出そうとしても、義務や期待の言葉しか浮かんでこない」
「夢を語ろうとした瞬間、『現実的に考えれば』という声が先に出てくる」
想像力が乏しいわけではありません。
「本当にやりたいこと」が見えにくくなるのには、ちゃんと理由があるのです。
やるべきことは並ぶのに、やりたいことが浮かばない
「やりたいこと」を聞かれると固まるのに、「やるべきこと」を聞かれればいくらでも並べられる。
これは、夢がないわけではありません。
本音のゴールが、have to(やらなければならない)の層に埋もれているだけなのです。
幼い頃から、私たちは数えきれないほどの「こうあるべき」を受け取ってきました。
「安定した仕事に就くべき」「もっと現実的に考えるべき」。
こうした言葉は繰り返し届き、いつの間にか自分の独り言に溶け込んでいきます。
だから、「やりたいことを考えて」と言われても、出てくるのはhave toの言葉ばかり。
本音のゴールは、奥に隠れたままになっているのです。
本物のゴールに必要な、二つの条件
では、どんなゴールが「本当のゴール」と言えるのでしょうか。
有効なゴールには、二つの条件があります。
ひとつ目は、want toであること。
「やらないと怒られる」といったhave toのゴールは、達成しても充実感が続きません。
ゴールは「やらなければ」ではなく、「やりたくてたまらない」から始まる必要があります。
ふたつ目は、現状の外にあること。
「今の自分でも達成できそう」なゴールは、脳を大きく動かしません。
本物のゴールとは、今の自分の範囲の、少し外側にあるもの。
「本当にできるのだろうか」という感覚と、「もし到達できたら最高だ」というワクワクが、同時にあるくらいがちょうどいいのです。
「現状の外」とは、別の世界の話
「現状の外」と聞くと、少し背伸びすれば届く場所のように思えるかもしれません。
しかし、「今の自分が少し成長した姿」をゴールにする限り、自分の範囲は少しずつしか動きません。
現状の外のゴールとは、「今の常識では考えにくい、別の世界の話」です。
「今より少し稼ぎたい」ではなく、「どんな仕事を、どんな人と、どんな場所でしているか」。
「もう少し健康になりたい」ではなく、「どんな身体で、どんな毎日を生きているか」。
映像として思い描けるくらい具体的で、今の自分には少し信じがたいくらい先にある。
それが、脳を大きく動かすゴールです。
制約を外した問いを、自分に投げかけてみる
具体的に、どうやってゴールを見つければいいのか。
最初に試してほしいのは、制約を外した問いかけです。
- 「もしお金が無限にあったら、何をしているか」
- 「もし失敗しないと分かっていたら、何に挑戦するか」
- 「誰にも評価されなくていいなら、何に時間を使いたいか」
- 「10年後、最高に充実した一日はどんな一日か」
これらの問いに、すぐ浮かぶ答えを大切にしてください。
「現実的じゃない」という声が湧いてきても、いったん横に置いておく。
答えが浮かばないなら、これまでの人生で夢中になったことを振り返るのも有効です。
誰にも頼まれていないのに、自然と取り組んでしまうこと。そこに、本音のゴールの種があります。
ゴールを考えようとして頭が空白になる。
その原因は、長年のhave toが、本音のゴールの声を覆い隠していたことにありました。
そして大切なのは、最初から完璧なゴールを描こうとしないこと。
「まだ曖昧だけれど、こんな未来に惹かれる」という仮のゴールで構いません。
完璧なゴールを探して立ち止まるより、仮であっても決めて動き出す。
そこから出てきた言葉が、これからの景色を変える、最初のゴールになります。
