実績を積んできたあなたは、未経験の場所でも自信を持っていい

木曜の午後に現場の声を聞く時間をとるようになって、ひと月が経ちました。
集まった声をもとに、初めて自分発の企画をまとめることになったのです。

企画の骨子はできている。現場の人たちの困りごとも、具体的に聞いてきた。
それなのに、提出ボタンの前で手が止まりました。

「この分野で何の実績もない自分が、こんな提案をしていいんだろうか」

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「この分野の実績がない自分が言っていいのか」とためらった

前の部署では、こんなふうに迷うことはありませんでした。
何年も積み上げた実績があり、「あの件を立て直したのは自分だ」という手応えがあった。提案するときも、その実績が背中を押してくれました。

けれど新規事業の部署には、その実績がありません。
周りは、この分野に何年も携わってきた人ばかり。
自信の支えにしてきたものが、急に足元から消えたように感じたのです。

実績を積み上げて自信をつけてきた人ほど、こうした場面で立ち止まりやすいのかもしれません。

初めて登る山でも、これまで登ってきた脚力は残っている

登山にたとえてみます。
何度も登った山なら、道も景色も知っているので、自信を持って歩けます。
では、初めて登る山ではどうでしょう。道は知らない。頂上までの景色も分からない。

それでも、これまでいくつもの山を登ってきた脚力や、天候を読む力、ペース配分の感覚は、ちゃんと体に残っています。
山が変わっても、登ってきた力そのものが消えるわけではないのです。

「この山に登ったことがない」ことと、「この山に登れない」ことは、まったく別の話です。

エフィカシーは、まだ登っていない山への自己評価

以前少し触れたエフィカシーを、もう一度思い出してください。
エフィカシーとは、「自分にはゴールを達成する力がある」という、未来に向けた自己評価のことです。

ポイントは、過去の実績に基づく自信とは別物だということ。
「前にできたから、次もできる」は過去を根拠にした自信です。
エフィカシーは、まだ登ったことのない山に対して「自分なら登れる」と評価すること。

ゴールが現状の外にある以上、実績がないのは当たり前です。
だからこそ、自信は結果のあとではなく、先に持っていいのです。

過去の実績表ではなく、「積み上げてきた力」を書き出してみた

その夜、ノートに「これまでの実績」ではなく、「実績を生んだ力」を書き出してみました。

関係者の本音を聞き出す力。
バラバラな意見を一つの方向にまとめる力。
トラブルの中でも、次の一手を考え続ける粘り強さ。

並べてみると、どれも新規事業でそのまま使える力でした。
分野は変わっても、自分が持っている脚力は変わっていなかったのです。

翌朝、迷わず企画書を提出しました。

実績のない場所でも、自信は先に持っていい

自分を認めることは、甘えでも過信でもありません。未来へ進むための準備です。
これまで積み上げてきたあなたなら、新しい場所でも、その力を信じていいのです。

初めての山では、迷うことも、足を滑らせることもあるでしょう。
それでも「自分なら登れる」と思えている人は、立ち止まっても、また次の一歩を踏み出せます。


未経験の場所でためらうのは、あなたが実績を大切にしてきた証です。そして、その実績を生んだ力は、どこへ行っても一緒です。

明日から5分だけ、試してみませんか。
これまでの実績を一つ思い出し、「それを生んだ力は何だったか」をメモに一行書いてみる。
後輩が新しい挑戦の前でためらっているときにも、同じ問いを渡せるはずです。

次回は、そうして変わりはじめたときに働く、元の自分に戻そうとする力についてお話しします。

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この記事を書いた人

苫米地式コーチング認定コーチ/苫米地式コーチング認定教育コーチ/TICEコーチ/PX2ファシリテーター。 苫米地英人博士から指導を受け、青山龍ヘッドマスターコーチからコーチングの実践を学び、世界へコーチングを広げる活動を実施中。あなたのゴール達成に向けて強力にサポートします。

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